商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2024/09/13 |
JAN | 9784065366752 |
- 書籍
- 文庫
すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集
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すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
彼女が執筆した全76篇の短篇のうち65篇を岸本氏が訳したもののうち、19篇を収めた短編集。 順番としては「掃除婦のための手引き書」が先だったようだけど、私はこちらが先だった。まあ、短編集だし独立しているし、順番は関係ないか。 最初の2篇を読んだあたりでは「なるほど。おしゃれ。」...
彼女が執筆した全76篇の短篇のうち65篇を岸本氏が訳したもののうち、19篇を収めた短編集。 順番としては「掃除婦のための手引き書」が先だったようだけど、私はこちらが先だった。まあ、短編集だし独立しているし、順番は関係ないか。 最初の2篇を読んだあたりでは「なるほど。おしゃれ。」程度で、少し時間が経つと思い出すのがしんどくなるくらいの印象でしかなかった。 そこからもう数篇読み、ルシア・ベルリンの語る語り口に慣れてくる頃になると、この作家のすごさが見えてくる。 表題作を読むあたりでは、岸本氏が後書きで「そして文庫の帯で」書いているように「一篇読むたびに本を置いて小さくうなり、深呼吸せずにはいられない」という状況がやってくる。 「なるほど。すごい。」に変わる。 どれも、とても平易な語り口で読みやすい。 だからファーストインプレッションは、さっきも書いたとおり、軽い。 ただ、よくよく読んでいるとそうではない。 一人称を中心に、個人の主観を語る中で語り手の人となりを、その人間性を深くから描き出す一方で、その姿を客観的に見たときの第三者的な違和感を実に見事に表現している。 客観的に見たら明らかにおかしい(あるいはおかしくない)のに、主観的にみたらまったくおかしくない(あるいはおかしい)というギャップ。 これが物語に強い陰影を与え、読む側はずいぶんとそのギャップにはらはらさせられる。 読むのを止められなくなる。 もう一つ、特徴的なのは、独立した、そして孤独な人間が中心に据えられていること。 そして上記の主観云々も関連するのだけれども、本人はそれを孤独だとも悩みだとも思っていない。 ただ客観的な我々読み手は、主人公から強い孤独さを感じずにはいられず、そこになんとも言えない感情が生まれる。 これもまた、すごい。 アルコール依存の女性が登場する物語がとても多く、これはなにを意味しているのだろうとずっと考えていたのだけれども、これは筆者本人がアルコールと戦ってきたということが反映されているのかな。そこからなにかを表現しようとしているのかもしれないけれども、そこは今回私の読み方では見いだせなかった。 例の孤独さを強調しているような役割は感じられたけど。 読むのが辛くなるような展開のものもあるけど、でもどれもものすごく秀逸。素晴らしい。 掃除婦〜も読んでみようと思う。
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一人称での記述だから、突然一人称の人物が変わることがあるので、ストーリーラインを追うのが難しいと。油断するとわからなくなる。各編を超えて、名前が違うけど似たキャラクター、慣れない外国人の似た名前の登場人物が多いというのもあると思います。日本の小説とは勝手が違いますね。ストーリーは...
一人称での記述だから、突然一人称の人物が変わることがあるので、ストーリーラインを追うのが難しいと。油断するとわからなくなる。各編を超えて、名前が違うけど似たキャラクター、慣れない外国人の似た名前の登場人物が多いというのもあると思います。日本の小説とは勝手が違いますね。ストーリーはやはり日本の文化とは違うので、日本画の小説だけ読んでいるのと狭い世界に閉じていすぎるんだと、文化的に閉じた読書の欠点に気づかせくれます。
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1話1話の話を読み終えるたびに、その話に出て来た登場人物のその後を想ってしまう話ばかりでした。 なんせ、なんの唐突もなく、バスッと終わらせられる話が殆どでしたから。最初はかなり戸惑いましたぜ。 乾いた空気と広い空の下で、生活してる人々の一部分を切り取ったスクラップ集みたいな作品...
1話1話の話を読み終えるたびに、その話に出て来た登場人物のその後を想ってしまう話ばかりでした。 なんせ、なんの唐突もなく、バスッと終わらせられる話が殆どでしたから。最初はかなり戸惑いましたぜ。 乾いた空気と広い空の下で、生活してる人々の一部分を切り取ったスクラップ集みたいな作品だと感じました。
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