商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2024/09/04 |
JAN | 9784591183205 |
- 書籍
- 文庫
付き添うひと
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付き添うひと
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
自らも少年のころに罪を犯してしまった過去がある弁護士が、少年の弁護士にあたる「付添人」として、子どもたちに寄り添い支えていくエピソードをつづった物語。 私は子どもの声を聴く傾聴ボランティアを長くやっていて、子どもに心の内を話してもらうことの難しさをずっと考えながらやってきてるん...
自らも少年のころに罪を犯してしまった過去がある弁護士が、少年の弁護士にあたる「付添人」として、子どもたちに寄り添い支えていくエピソードをつづった物語。 私は子どもの声を聴く傾聴ボランティアを長くやっていて、子どもに心の内を話してもらうことの難しさをずっと考えながらやってきてるんだけど、「なんでも話して」なんて言ったって、その相手を信用できなければ自分の本当の気持ちなんて話せないと思うのね。 主人公の朧太一が言う「ここは安全です。落ち着いて話してください」っていうひとことをどれだけ責任をもっていえるか。そういった言葉たちをいくつもかみしめながら読んだ。 エピソードと並行して主人公自身の心の傷もにも焦点が当てられていくんだけど、支える人をまた別の人が支えて…というひとのつながりで得られる癒しみたいなものも描かれているのがとてもよかった。 ボランティア仲間にも勧めて読んでもらって、感想を言い合ったりしたりもしたんだけど、それをそばで聞いていた他の人も読み始めたりして、うちのボランティア界隈でちょっとした「付き添うひと」ブームが来ているのも最高にいい。
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2000年の少年法改正により、少年審判の手続きや処遇を適正に進めるため、裁判所に協力する役割を果たす「付添人」(主に弁護士が担当)が公的に認められたとのこと。つまりは、被疑者の少年(少女を含む)の味方となる人ですね。 本作は、副題の「子ども担当弁護士・朧太一」が主人公の、5...
2000年の少年法改正により、少年審判の手続きや処遇を適正に進めるため、裁判所に協力する役割を果たす「付添人」(主に弁護士が担当)が公的に認められたとのこと。つまりは、被疑者の少年(少女を含む)の味方となる人ですね。 本作は、副題の「子ども担当弁護士・朧太一」が主人公の、5話からなる連作短編集です。名前はオボロ、見なりはオンボロ‥、でも少年たちへ寄り添い、手を差し伸べ続ける熱い心の持ち主で、自身が過去に傷を負っている背景がありました。 オボロは様々な問題を抱えた子どもたちへ真摯に対峙しますが、彼らはなかなか心を開かず、SOSの声の上げ方もわからないようです。それでもオボロの丁寧な語りかけが少しずつ彼らを変容させ、徐々に内に秘めた心の叫びを吐き出していきます。各話とも、リアルな描写に心が痛みます。 これらの要因を辿っていくと、親たちの傲慢で勝手な言動に行き着きます。結局、翻弄されるのはいつも子どもで、心の逃げ場を失って自分を諦め、前向きな思考ができなくなっていくんですね。 法整備が進んでも、それだけでは対処療法で根本的な解決にならないのは自明です。親や周囲の無自覚が子どもを追い込んでいると理解し、他人事ではないと胸に刻む必要がありそうです。 とまあ偉そうに書きましたが、深刻で重い内容ではあるものの、オボロの奮闘と短編ゆえか、結構さらりと各話が展開していきます。最終話で、オボロ自身が救われる終わり方もよかったです。 辛い思いをしている、かつてしていた全ての人へ伝えたいですね。「過去・他人は変えられないけれど、未来・自分は変えられる」と‥。 岩井さんの想いがオボロに反映され、温かな筆致で優しく先を照らしてくれる一冊でした。
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子どもは親を選べない。 すごく苦しい題材だった。 血は繋がってなくても オボロ先生のような笹木さんのような 心を預けれる人が近くにいてくれたらいいな。 続き出して欲しいです!!
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