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自閉症は英語がお好き!? 自閉スペクトラム症のことばと社会とメディアの進化
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自閉症は英語がお好き!? 自閉スペクトラム症のことばと社会とメディアの進化

松本敏治(著者)

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自閉症は英語がお好き!? 自閉スペクトラム症のことばと社会とメディアの進化

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 福村出版
発売年月日 2024/08/30
JAN 9784571420825

自閉症は英語がお好き!?

¥1,980

商品レビュー

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2024/11/10

以前私が仕事で関わっていた子が、まさにこうだった。 海外渡航経験もない日本生まれ日本育ちなのだが、自閉症で、日本人の両親とのやりとりはかろうじて日本語。もちろん自閉症児なので流暢ではなく、必要な事柄はどうにかコミュニケーションが取れる程度。でも最も得意なのは英語で、指示も英語だと...

以前私が仕事で関わっていた子が、まさにこうだった。 海外渡航経験もない日本生まれ日本育ちなのだが、自閉症で、日本人の両親とのやりとりはかろうじて日本語。もちろん自閉症児なので流暢ではなく、必要な事柄はどうにかコミュニケーションが取れる程度。でも最も得意なのは英語で、指示も英語だと入りやすく、日本語で話しかけても英語で返ってきたりする。英語の習得はやはりネット環境で自分で勝手に獲得したものだった。また英語以外にも、アラビア語やポルトガル語など数か国語も使うことができた。そんな事例を知っていたこともあって、前著も興味深く読んだし、図書館で見かけたので読んでみた。 丁寧に調査し、事例を検討し、多くの意見を取り入れながら展開される考察は、非常に納得感のあるもの。 確かに取り上げられている事例数は統計的には極端に少なく、エビデンスとしては効力はないかもしれない。またいわゆる言語学の専門の先生から、あれこれ批判めいた意見もあったようだが、現場感覚から言えば、著者の言っていることは実際に起きていることを説明するのに十分な気がする。 自閉症が障害なのは、今の社会システムが定型発達を基軸に作られたものであるから。自閉症の人々は文化の違う世界を生きていると私は思っている。違う文化にいるのに、今のこの社会の文化に無理やり合わせさせられようとしているから彼らは苦しいし、周囲の私たちも困惑してしまうのだ。 非常に示唆に富む内容で、言語学的な興味関心がある人や障害児に携わる仕事をしている人、子育て中の保護者だけでなく、あらゆる人にぜひ読んでもらいたい。 社会がどのように作られているか、人がどのように社会で生きる術を身につけていくか、そのときに大切なことが何かを教えてくれる。 『自閉症は津軽弁を話さない』は読んだが、『~リターンズ』はまだだった。また読んでみよう。

Posted by ブクログ