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ハーレムの熱い日々 ちくま文庫
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ハーレムの熱い日々 ちくま文庫

吉田ルイ子(著者)

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ハーレムの熱い日々 ちくま文庫

990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2024/08/09
JAN 9784480439734

ハーレムの熱い日々

¥990

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2024/08/21

著者のことは何で知ったのだろう。亡くなったということを新聞記事で見かけたのが初めてだったのだろうか。本書出版の新聞広告を見て、ぜひ読んでみたいと思った。他に読みかけの本もあったが、読みやすい方に流れて、先に読み終わった。僕は高校生のころ、1年間だけ、アメリカの南部の高校に通った。...

著者のことは何で知ったのだろう。亡くなったということを新聞記事で見かけたのが初めてだったのだろうか。本書出版の新聞広告を見て、ぜひ読んでみたいと思った。他に読みかけの本もあったが、読みやすい方に流れて、先に読み終わった。僕は高校生のころ、1年間だけ、アメリカの南部の高校に通った。スクールバスは黒人が多く住む地域を通るため、乗っている生徒の大半が黒人であった。ドライバーも黒人女性であった。印象は「ゴツイ」ということ。骨が太そうだった。髪の毛は鋼のようだった。そこに何やら油を塗りたくっていた。その臭いもきつかった。車内のBGMで流れていたソウルミュージックにあわせてノリノリだった。ドライバーも含めて。ときに草が燃えている臭いがすることもあった。学校では半数が白人、4割方黒人、残り1割ほどが中国やフィリピンなどをルーツに持つ生徒だった。中にはアフガンからやって来た兄弟もいた。戦争を逃れてとのことだった。バスケットやフットボールで活躍する一部の黒人はヒーローだった。しかし、差別は歴然として存在していた。二グロということばを聞く機会は少なかった。ブラックピープルという言い方が一般的だった。でも、ときには「ファッキン ニガー」などということばを聞くこともあった。差別的な言葉がどれくらいの強さで発せられているのかはっきりしないが、おそらくかなりきつい言い方だったのだと思う。「スティンク」(臭い)とあからさまに言う白人もいた。イエローの僕に対しては、「セイムカラー」と言ってくれる白人もいた。仲良くしてくれている友人だったので、少し複雑な思いがした。他にも差別はあった。最近になってインクルーシブ教育などということばを聞くようになったが、40年以上前のアメリカでは、白杖を持ったり視覚障害者用のタイプライターを持ったりしている人をよく見かけた。肢体不自由な人も複数いた。そういう人たちを支えるボランティアグループもあった。しかし、休み時間廊下の床に座り込んでいた多くの高校生は、単に白杖を避けるようにしていた。困っている人を助けようとする様子は見かけなかった。自由の国アメリカには、多くの差別が存在するという事実が僕の頭の中に残った。それは、どこも同じだな、ということでもあった。そう言えば、一度だけ、黒人女性から「ユー アー キュート」と言われたことがあった。その後、何の進展もなかったが。本書には多くの写真が掲載されている。それが、文章を引き立てている。僕は、カバーの写真よりも、こぶしを振り上げるZULUの写真の方が好きだ。

Posted by ブクログ

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