和光3分大学 学ぶおもしろさが見つかる50のお話

和光3分大学制作委員会(編者)

• 販売会社／発売会社: 理工図書
• 発売年月日: 2024/02/28
• JAN: 9784844609490

商品レビュー

2024/05/05

小田急線鶴川駅が最寄りの小高い丘に舎を構える和光大学が2008年から小田急線内の中吊り広告に出していたメッセージアートボードから50点をセレクションして書籍化したもの。ちなみに全てのメッセージは大学のホームページから閲覧可能とのこと。

趣旨としては「『より多くの人に学問のおもしろさに触れてもらいたい』という願いが込められています。」(p3 《はじめに》)というもの。

個人的に興味をもったものは
《ボクには、パパとママと、水曜日のパパがいます。　世界にはどんな家族のかたちがあるのだろう？》(p19)…パプアニューギニアには実の父以外にパパと呼べる大人がいる。スウェーデンでは母親の再婚相手の新パパを「ボーナスパパ」と呼び、元パパも育児に参加出来る。いずれも子どもと幸せに過ごす為の家族の形。おお、全く知らなかった。もちろん、だから日本社会は劣っている！けしからん！とかいう短絡な話ではなくて、これこそ世界の多様な価値観を学ぶ事を通じて知恵を磨くということだと思う。

《その少年はずっと、見えない被害者だった。　司法犯罪心理学って、どんな学問ですか？》(p41)…「司法犯罪心理学は、犯罪や事件の謎解きをするものではありません。(中略)加害予防を実践する学問でありたいと思っています。」(同)とのこと。単なるワイドショー的な犯罪評論家に留まらず、犯罪発生の抑止に繋がる能動的な働きかけをする事が出来れば、それ即ち豊かな社会の実現達成という実に大きなことを成し遂げられる可能性を秘めた学問。素晴らしい。

色々と事情があることと思うが、どうせだったら抜粋ではなくてホームページで公開しているもの全部を掲載した完全版としてもらえたら良かったかな、と感じました。

1刷
2024.5.5