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狼の牙を折れ 史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部 小学館文庫
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狼の牙を折れ 史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部 小学館文庫

門田隆将(著者)

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狼の牙を折れ 史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部 小学館文庫

946

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2024/08/06
JAN 9784094073799

狼の牙を折れ

¥946

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2024/08/20
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事件のおよそ五ヶ月前に公安の手に渡り、差し押さえ令状の出た「こと細かに爆弾の材料、作り方や、注意事項、そしてどのように大衆の中に溶け込んで爆弾闘争を展開するか、その方法論や心構えまで、詳細に書かれていた、、、闘争用の爆弾教本」である『服服時計』 犯人像に迫るために集められた頭脳集団は「『服服時計』の裏に潜むものを炙り出せ。文章から、文脈から、抱いている思想を読み解いて、誰がこれを書いたのか、影響を受けたのはどんな思想なのか、どういう人間の影響を受けたのか、それを徹底して分析せよ。誰が書いたのかがわからなくても、どういう思想のやつが書いたのか、そこに辿りつけ。左翼の論文の葉脈から、あらゆるものを割り出していけ」「いいか、読書百遍だぞ。何度でも読み直せ。百遍でも二百遍でも、文章を諳んじるぐらいまで読み込め」と指示される。そして読み込み読み込み、執念で「窮民革命論」がその底に流れている思想であり、「欠落」しているものは組織であり、「アナキスト」というどこのセクトにも属さない無政府主義者達の存在を浮かび上がらせていく。 「日本共産党臨時中央指導部が武装闘争を展開していた頃に、時限爆弾や火炎瓶などの製造法を記した『栄養分析表』という爆弾教本を出したことがあり、、、犯人グループは、明らかにこれを参考にしていました。また彼らは、塩素酸カリウムとワセリンとパラフィン混合して〝セジット”と呼ばれる爆薬をつくり、それを白色火薬に混ぜていました。これは、事件の三年ほど前にオーム社というところから出版された『火薬と発破』という本を参考にしています。彼らが何を参考にし、何を利用したか、解析によって次々とわかってきました。」「犯人グループは、思想や理論だけではなく、その技術力も徹底して解析され、次第に丸裸になっていった」 そして、捜査官たちの血の滲むような苦労の末に証拠づけられていった書類が逮捕状として形となる。全部で七人分。捜索令状二十本。フィクションではない犯人と公安の息詰まる攻防戦が、読む者の心臓を高鳴らせる。 エピローグで、三菱重工爆破事件当時、中学三年生で父を失った息子さんの話が綴られる。 「この長い歳月、心の中に熾火が残った中で生きてきたような気がする。気持ちが昇華されることはなくて、いつまでも熾火のままなのである。」「あの事件で収監されている人間は、死刑が確定したまま執行されず(後に、一人が獄中にて病死)、また、一方、国外逃亡中(超法規的措置にて釈放)の人間は、いまなお、逮捕されていない。」「そうだ、まだ捕まってないんだ。まだ、死刑になってないんだ」 遺族の無念を思い、涙が流れる。 私が生まれた年あたりから安保闘争が始まり、一連の爆破事件やあさま山荘事件は、子供時代に何もわからぬままニュースで見た記憶がある。 その後、大学生になってからノンフィクション物として赤軍派の事件やキューバ革命等の本を読み漁り、今に至っても、オバマやクリントンの思想に多大な影響を与えたとされるアリンスキーの革命論を読んでみる。 あとがきで門田隆将氏が「なぜ母国が崩壊することを望むのか。私にはどうしても理解できないのである。」と記しているように、私自身もそれを知りたいからだ。 成功することのない暴力革命から文化革命へと舵を切った活動の本質。知らぬ間に洗脳されて、活動に巻き込まれていることさえ気づかずにいる、幸せを求める純粋な一般市民。私は騙されたくないから知りたいのだ。

Posted by ブクログ

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