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叡電のほとり 短歌日記2023
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叡電のほとり 短歌日記2023

吉川宏志(著者)

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叡電のほとり 短歌日記2023

2,420

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ふらんす堂
発売年月日 2024/07/31
JAN 9784781416687

叡電のほとり

¥2,420

商品レビュー

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2024/09/26

2023年1月1日から12月31日まで、毎日一首づつの短歌日記。短歌の後に三行から七行程の短い文章つき。 毎日書くのは大変だったろうと思います。 吉川さんは大学生の時から京都にお住まいで、私も京都にいた時期と重なっています。 修学院と一乗寺の中間なら家は修学院だったので、すぐ近...

2023年1月1日から12月31日まで、毎日一首づつの短歌日記。短歌の後に三行から七行程の短い文章つき。 毎日書くのは大変だったろうと思います。 吉川さんは大学生の時から京都にお住まいで、私も京都にいた時期と重なっています。 修学院と一乗寺の中間なら家は修学院だったので、すぐ近くです。 京大の文学部に通ってらしたみたいですね。 私も京大生の友だちがいたので、学園祭によばれていったりしたので、どこかで遭遇していてもおかしくなかったですね。 私も修学院駅から出町柳まで、よく叡山電鉄には乗っていました。 松ヶ崎、宝ヶ池、新京極、修学院離宮、哲学の道など、懐かしい地名がいっぱいでした。 一月十五日(日) <産みくれしひとの亡きわが誕生日羽立てるごとくシクラメン咲く> 一月二十日(金) <十数年つき合えば共に知る死者も増えたり冬の黒ビール飲む> 二月九日(木) <途中まで読みたる本に一か月ぶりの心をつながむとする> 二月十一日(土) <ビニールの手袋嵌めて朝食のハム挟み取る銀の盆より> 二月二十一日(火) <指枯れてピアノのなかを浮き沈む坂本龍一シェルタリング・スカイ> 二月二十三日(木) <読む時のあらざる本を積みてなお自らの本を作らむとする> 三月二日(木) <まだ本の読めない寒さ 三月の白き光をあつめる池は> 三月十日(金) <香れるを忘れおりしが空間にまた滲みくる夜のヒヤシンス> 三月十六日(木) <晴れの日の花屋は前にせり出せり錆びた台車にプリムラの咲く> 三月二十日(月) <一週間前は寒かりし夕暮れのパン屋にパンまばらにならぶ> 四月四日(火) <微笑みを風に当てつつ自転車を漕ぐ少女ありまだ春休み> 四月十四日(金) <うりこひめのように記憶はすりかわりあの寺に行ったことないと言う> 五月一日(月) <うすあおき目薬の壜にすこしづつ空気の増えて春は過ぎゆく> 五月十六日(火) <雨の日の電車の音が本のなかまで響きつつ死を二つ読む> 五月二十日(土) <このごろの灯はリモコンで消すんだよ 亡きひとの本寝る前に読む> 六月五日(月) <雨の夜は雨ににおいを溶かしつつ栗の花咲く線路の向こう> 六月十六日(金) <闇の中泡のごとくに浮かびくる蛍のありて妻を呼びたり> 八月二十六日(土) <雨のあとゼリーのごとき夜空あり月の光に貫かれつつ> 九月二十七日(水) <秋の夜と宇宙のつながるところにて土星の光輪を初めて見たり> 十月七日(土) <鞄へと『鵺の碑』戻しおり読み終わらずに旅をはみだす> 十月十一日(水) <おじいちゃんのようでも幼児のようでもあるうさぎを抱きぬ脚はだらんと> 十一月二十六日(日) <十年後、秋は無いかも知れなくて白を載せつつ貴船菊立つ>

Posted by ブクログ

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