商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 潮書房光人新社 |
発売年月日 | 2024/07/25 |
JAN | 9784769870708 |
- 書籍
- 文庫
敗戦は罪なのか
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敗戦は罪なのか
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2024年8月15日。79年目の終戦の日に、平和について考える。 東京裁判でA級戦犯に裁きを下した国際判事団。その多くが大戦の「敗者」に対し専ら極刑のみを無条件に下そうとする中、国際法秩序に基づく正当な裁判を希求すべく、判決案に異議を唱える者がいた。インド出身のラダビノド・パル...
2024年8月15日。79年目の終戦の日に、平和について考える。 東京裁判でA級戦犯に裁きを下した国際判事団。その多くが大戦の「敗者」に対し専ら極刑のみを無条件に下そうとする中、国際法秩序に基づく正当な裁判を希求すべく、判決案に異議を唱える者がいた。インド出身のラダビノド・パル判事、そして本書の主人公であるオランダ出身のベルト・レーリンク判事だ。 レーリンクは自問する。侵略戦争という名の「平和に対する罪」は、一体誰が、どのようにして問うことが妥当なのか。 第二次大戦前の世界秩序は、1928年に米仏の提唱で締結されたパリ不戦条約を下敷きとしている。ゆえにこの条約で定められた以外、条文を勝手に解釈して宣告を下すことは不当な行いにあたる。連合国出身の判事たちがいわば「勝者」さながらに、敗戦国日本の被告、中でも軍事政府内に身を置いたものの、戦争の早期終結に向け外交面で尽力した文官たちを死刑とすることが国際法に則った正当な措置といえるのか。 ニュルンベルク裁判と東京裁判は、後世の国際法廷においてきわめて重要な前例となる。だからこそ、勝者の一方的な判決に妥協するのではなく、悲惨な戦争を二度と繰り返さない真の国際法廷を目指すべきだ。そう信じる彼は、他の判事やオランダ政府から圧力を受けながらも自らの判断を貫いた。 旧連合国の立場にありながら、後に日本が国際連合加盟を成し遂げ、国際社会復帰にむけ重要な役割を果たした重光葵を正しく評価した外国人がいたことに、敬意と深い感謝を表したいと思う。 世界的な大惨事を繰り返さないために。 国際法、そして国際秩序のあり方が今こそ強く問われていると感じます。
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