商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2024/07/18 |
JAN | 9784065361542 |
- 書籍
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ナイルの聖母
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ナイルの聖母
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ベルギーの植民地だったルワンダが独立した後の話であり、また、フツがツチを虐殺する前の話でもある。 植民地時代にツチとフツの間に打ちこまれた楔が、民族間の敵対感情をどんどんと大きくし、その中で同じ国の同じ学校の生徒として寮生活を送る少女たち。 民族、親の地位、美貌、賢さ、いろんな...
ベルギーの植民地だったルワンダが独立した後の話であり、また、フツがツチを虐殺する前の話でもある。 植民地時代にツチとフツの間に打ちこまれた楔が、民族間の敵対感情をどんどんと大きくし、その中で同じ国の同じ学校の生徒として寮生活を送る少女たち。 民族、親の地位、美貌、賢さ、いろんな違いが少女たちの心をかき乱す。 いろんな少女の群像劇であり、ルワンダ虐殺の前日譚であり、植民地支配の残した傷の話でもある。
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修道女みたいなお金持ちの少女が花嫁修行の学園で生活を共にする。民族間の垣根を超えた集団生活だがやはり差別はあり、さすがにお嬢様らしからぬ振る舞いはないが個々として劣等感や嫉妬などが渦巻いている。その学園の中で生活する少女たちの日常、会話などの数人の少女がピックアップされて書かれて...
修道女みたいなお金持ちの少女が花嫁修行の学園で生活を共にする。民族間の垣根を超えた集団生活だがやはり差別はあり、さすがにお嬢様らしからぬ振る舞いはないが個々として劣等感や嫉妬などが渦巻いている。その学園の中で生活する少女たちの日常、会話などの数人の少女がピックアップされて書かれている。短編としても読めるので飽きることも翻訳本の苦手な自分でも楽しく、文化の違いを体験しながら読む。最後の方は1人の傲慢な少女のウソの証言で学園内がめちゃくちゃになり軍隊を巻き込んで惨殺事態におちいるが国内のクーデターにより終止符をうちまた学園生活が戻るが巻き込まれた生徒たちの行末はどうなるんだろうと心配のまま終わる。日本だと毎日同じ生活が繰り返すんだろうなぁと想像できるが紛争が多い国の少女たちはまた違った人生で想像できない将来なのでどんな感じ方や夢があるのか気になり紛争の多い国の本も読んでみたい。 日本の戦時中の人たちと同じなのか、希望や夢はあるのか。読んでみたい本がまた増えてしまった。
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ルワンダの悲劇(ルワンダの虐殺1994年の100日間)からすでに30年が経過しているが、私の記憶には新しい。 フツ族によるツチ族の民族浄化として知られるが、日本に住む我々は特段の関心がない限り、突如始まった暴動のように思ってしまうこともあるだろう。 実際には植民地支配していたドイ...
ルワンダの悲劇(ルワンダの虐殺1994年の100日間)からすでに30年が経過しているが、私の記憶には新しい。 フツ族によるツチ族の民族浄化として知られるが、日本に住む我々は特段の関心がない限り、突如始まった暴動のように思ってしまうこともあるだろう。 実際には植民地支配していたドイツやベルギーの統治時代に火種は撒かれていたのだ。 本来フツ、ツチというのは、日本でいう士農工商のような階級に似た分類で、両者は同じ民族ということが分かっている。 統治国の思惑で、根拠のない学説を用いて別の民族として正式に登録されてしまった。 それが、長期にわたり憎悪を増大させ1994年にジェノサイドを引き起こした...。 この小説では、ツチ族とされた著者が1970年代に通ったカトリック学校をモデルとしている。 最初は、ルワンダ人の名前や地名、カトリック学校の神父や修道女、修道士をフランス語で表現(ペール、スール、フレール)していることに慣れず、ベルギー人とフランス人双方が入り込んでいる背景も分からなかったため、なかなか読み進まなかったが、ネットで調べながら読むうちに最後までたどり着いた。 あの惨劇の背景を遠く離れた日本人でも知ることができる。 根拠のない話を決定的な事実として信じ込まされ、憎悪をうえつけられてしまう、その恐ろしさはSNSが大きな影響力を持つ今の我々の世界にも共通するところがある。
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