アーモンド 祥伝社文庫

ソン・ウォンピョン(著者), 矢島暁子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2024/07/11
• JAN: 9784396350604

商品レビュー

2024/09/03

感情のある私達だって、結局相手の反応を見て嫌われない浮かないようにやっていたり。
感じ方が違うからこそ、相手に真っ直ぐ届く言葉が誰かを救ったり癒したり。
感情があるから本当出来ることが出来なくなるなんてことになるのは不思議というか皮肉だなぁ…

2024/08/24

年が取らないような美しいお母さん、口が悪いがしっかり家族思いのおばあさん、アーモンドが小さい故にモンスターと呼ばれる果の僕、僕の真っ反対でもう一人のモンスターのゴニ、ドラ…

やはり本のレビューなどは難しい。とりあえず読んでほしい気持ちだ。韓国の作品だが、文化が違いが少ないだろう、すらすら読めた。この物語はどういうふうに捉えるのは人によってきっと違うし、読むタイミングによってきっと違う。本に書かれているようにさて喜劇なのか、悲劇なのか誰にも答えがないかもしれない。生きていくうちに失うことがきっと増えてくるし、得るものもある。我々は今というのを生きるしかない、ではないと失う物事に支配され身動きが取れないだろう。

Spolier Alert

僕は「感情」というものに目覚め、お母さんが起きて、ゴニに会いに行く終わり方が好きです。シンプルで単純でいい。文学的じゃなくていい、悲惨な終わり方になったら、気持ちが収拾つかなくて胸が痛くなりそうだ。

一番好きなパーツはドラとのやり取りだ。明らかに僕に対して好意を抱いているドラが接近してくるが、塩対応するのがもどかしい笑。病院に一緒にお母さんに看病しに行って、「あんたもやるよ」って言って僕にお母さんに挨拶しろと言うドラ。それでお母さんに今まで遭ったことをゆっくり話す僕。自分にとって一番いいところだった。会社で休憩時間で読んでたが、危うく泣いてしまうところだった。
後、もし映画になったら絶対観る！映像化してくれー

2024/08/22

感情がある私たちが、いかに感情に左右されて、心に浮かぶ感情のまま相手を決めつけているか、ということに気づかされました。
印象によってそれがその人や物事であると思い込んで、本質が見えなくなったり気づかなくなったりしてしまっていることもあるんだな。
感情の表し方も人それぞれ。
感情にばかり振り回されず、冷静に人や物事を見る目を養いたいなと思った作品でした。