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終の市
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終の市
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商品レビュー
4.6
10件のお客様レビュー
ドンウインズロウ最後の作品。 後半のたたみかけるような展開、疾走感。ラストよかったけど、終わってほしくなかったなあ。 今作ではダニーの仲間ではネッド・イーガン、敵役ではクリス・バルンボがクールでカッコいい。ダニーの母親マデリーンもいいんだよな。 ウインズロウ復帰してくれないかなあ...
ドンウインズロウ最後の作品。 後半のたたみかけるような展開、疾走感。ラストよかったけど、終わってほしくなかったなあ。 今作ではダニーの仲間ではネッド・イーガン、敵役ではクリス・バルンボがクールでカッコいい。ダニーの母親マデリーンもいいんだよな。 ウインズロウ復帰してくれないかなあ。
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主人公ダニー・ライアンがラスヴェガスで実業家として成功した姿から最終章は始まる。 ラスヴェガスでカジノ事業を展開する実業家にマフィアの影は禁忌だが、ダニーがマフィア出身であることが色々なほころびから見えてくる。また、ライバルのホテル王ワインガードのマフィアとの関係も露になる...
主人公ダニー・ライアンがラスヴェガスで実業家として成功した姿から最終章は始まる。 ラスヴェガスでカジノ事業を展開する実業家にマフィアの影は禁忌だが、ダニーがマフィア出身であることが色々なほころびから見えてくる。また、ライバルのホテル王ワインガードのマフィアとの関係も露になる。ライバル関係は抗争を呼び、ダニーの古くからの仲間や、ビジネスパートナーも犠牲になる。第2部の陽炎の市では、なりを潜めていた暴力要素が爆発だ。 最終章ではダニーの子供イアンが事業を引継ぎ、発展させている様子が描かれる。世代交代がマフィアとの関係をロンダリングしたかのようだ。 ラスヴェガスでのカジノビジネスの、公然とマフィアが関与した時代、マフィアとの関係を隠していた時代、そしてマフィアとの関係が立ち切れた時代と推移したが、マフィアマネーが元であることに間違いはない。いや、フィクションだけどね。 第1部で明らかになっていたように、ドン・ウインズロウさんは本作をもって筆を置かれる。『犬の力』3部作は面白かったし、それに輪をかけて『ダ・フォース』も面白かった。本3部作も最高に面白かった。同じ時代を生きて本作品群を読むことができて幸運だった。感謝の意を直接届けたいくらい…。
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鬼★5 もはや犯罪小説の大河ドラマ、ラスベガスのカジノホテル経営が商売敵との抗争に発展… #終の市 ■あらすじ ハリウッドからラスベガスへ流れてきたダニーは、今や新進気鋭のカジノホテル経営者となっていた。既に成功を収めていた彼だったが、さらなるカジノ王国を築くために商売敵とホテ...
鬼★5 もはや犯罪小説の大河ドラマ、ラスベガスのカジノホテル経営が商売敵との抗争に発展… #終の市 ■あらすじ ハリウッドからラスベガスへ流れてきたダニーは、今や新進気鋭のカジノホテル経営者となっていた。既に成功を収めていた彼だったが、さらなるカジノ王国を築くために商売敵とホテル買収を争うことになる。 ただ強引な手段で事を進めていくうちに、過去のマフィアの亡霊やFBIたちが追いかけてくる。さらに利益に群がる新たなマフィアが彼の前に立ちはだかり… ■きっと読みたくなるレビュー 東海岸のマフィア抗争から始まった犯罪小説の三部作ラスト『終の市(ついのまち)』、堂々の完結です。 犯罪小説って欲望にまみれた汚い物語なんて思ってません? きっとあなたが思う以上にエモいし、深く深く胸を打つ物語なんです。今年イチオシの犯罪小説ですね、凄かった… さて本作のダニーはカジノホテル経営者として物語が始まる。犯罪小説ということを忘れるくらいビジネスマンとして手腕を発揮。これまで切った張った人生を繰り返している彼にとっては根回し、交渉、強み弱みを見抜く力なんてお手の物。しかも経営者としてのセンスもいいし、行動力もあるし、筋も通っていて、もはや理想の経営者なんすよね。 しかしながら過去の悪事、人脈は幽霊のように彼についてまわる。どれだけクリーンに生きようとしても、周りがそうはさせてくれないんです。敵対する組織はもちろん、本来応援すべき警察すら悪役に見えてくる。人間ってどこまでも業が深いし、遺恨ってのはどれだけ洗ってもぬぐい切れないんだよなぁ、許してやってくれよと何度思ったことか… そう、やっぱり本書の一番の読みどころは主人公ダニーの人間性なんです。愛する女性を大切できる男であり、我が子を守る父であり、困っている仲間たちを助けてあげられる。友人を大事に思い、強欲でも自分勝手でもない、頭脳明晰でリーダーシップのある優しい男。完全に惹かれっぱなしですよ、こんなの目の前にいたら男でも惚れちゃうよ。 他の登場人物もクールなんですよ、もう脳天が痺れっぱなし。商売敵のワインガードも筋の通ったビジネスマン、逃亡中だったクリスも頭脳派として光る、ケヴィンとショーンの二人組も若者ギャングらしく華々しい。 今回のイチ推しはネッドだなぁ。これまで父、ダニー、息子を三世代にわたって守ってくれた彼。人を守るとは「どっしりと構える」こと、終盤のクライマックスは今年読んだ本の中でもっともクールなシーンだったわ。 また本作のもうひとつの読みどころとして、法廷シーンもあるんですよ。かつてマフィアのドンと自身の母を殺害してしまった人物の刑事裁判。もうこれだけで一本長編を書けるんじゃねーのって内容で、重厚感と緊迫感ありまくり。鬼アツなんです! この裁判の結末、そして未来への選択が、本作に出てくる全ての登場人物を癒してくれてるようでしたね。 東海岸のマフィア抗争『業火の市』、ハリウッド映画業界『陽炎の市』、ギャンブル街『終の市』。広大なアメリカをまるっと描いた犯罪小説でありながら、人間が持ち合わせている純粋な愛情に光を照らした作品です。 控え目にいって名作、今年ぜったい読むべき三部作なのでお時間をとってゆっくりどうぞ。 ■ぜっさん推しポイント 『終の市』---終わりの街とは何処だったのか、そこには誰がいるのか。 彼が残してきたことの答えがそこにあり、ちっぽけな私の生き様なんかではとてもじゃないが受け止めきれません。私にも家族がありますが、同じ境遇だったらどこまでできたのだろうか… こんなにも壮大な人生劇場でなくてもいい。それでも大切に思う人に対しては、自分ができることを精いっぱいやり尽くさなければいけませんね。
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