1,800円以上の注文で送料無料

歩き娘 シリア・2013年
  • 新品
  • 書籍
  • 書籍

歩き娘 シリア・2013年

サマル・ヤズベク(著者), 柳谷あゆみ(訳者)

追加する に追加する

歩き娘 シリア・2013年

3,300

獲得ポイント30P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2024/06/06
JAN 9784560093559

商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/08/19

 2024-8-18(日)、サマル・ヤズベク著『歩き娘』を読み終えました。シリア出身の作家の本を読むのは初めて。7-27(土)日経書評欄で紹介されていました。何だろう?と一瞬考えてしまう『歩き娘』という題名と、書評の見出し「シリアの惨劇 刻まれる記憶」に心が動いて読んでみようと思...

 2024-8-18(日)、サマル・ヤズベク著『歩き娘』を読み終えました。シリア出身の作家の本を読むのは初めて。7-27(土)日経書評欄で紹介されていました。何だろう?と一瞬考えてしまう『歩き娘』という題名と、書評の見出し「シリアの惨劇 刻まれる記憶」に心が動いて読んでみようと思ったのです。  副題には「シリア・2013年」とあります。この本は2013年8月にシリアで実際におきた惨劇をベースに、「私」が「あなた」に向けて書いている手記のスタイルをとっている物語。ページを開く前までは、調査報道かドキュメンタリー的な作品かなと勝手に考えていました。1ページ目を読み出して、小説であることを理解しました。  語り手である「私」は、歩き出したらとまらないいつも紐で繋がれている、舌の筋肉が動かない動かさない、十代の少女。「私をつかさどる精神は、頭ではなく下の足のほうにあるので・・・いつか私を歩きに歩かせてほしい・・・」と最初の方で語ります。何だろう?精神が下の足の方に?、紐で繋がれているのに『歩き娘』という題名とともにに、この言葉が頭の中をグルグル回ります。作品を読み進むにつれて益々不思議な感覚が増えてくる。首を傾げながら何度も戻って読み返してしまいます。柳谷あゆみさんの訳者あとがきを読んではじめて、あっそうなのか!と思ったのです。この小説の設定に隠されたメッセージ、抵抗のメッセージを知ることができました。  もちろん、アラブの春から現在に続くシリア内戦のことは、その悲惨な状況を新聞報道などて断片的に知ってはいました。でも、10年前の記憶は徐々に薄れつつあるし、最近は世界の他の問題がクローズアップされているし。正直なところ、シリア内戦のことは頭の片隅に移りつつあったのが現実です。  2013年8月の出来事の描写は強烈です。シリアの封鎖地への攻撃で、化学兵器・毒ガス爆弾が使用され多くの犠牲者が発生した惨劇です。オレンジ色と赤と黄色に変わった空。すみれ色に染まった風景。嫌な臭いの泡。オレンジ色の液体。青ずんだ体。「私の周りの色は暗くはありませんでした。死んでいるのに、光に照らされていたんです。」惨劇の記憶が語られる。胸に迫ります。私たちは忘れてはならない、記憶に刻まなければならないと強く感じました。 本書を読んで良かった。次は訳者あとがきで紹介されている『無の国の門』を読んでみようと思っています。

Posted by ブクログ

2024/07/27

シリアで実際に起きたことをベースにした小説、とのこと。 少女の視点でつづられた日常。少女の純粋さが痛々しかった。周りの人たちがいなくなっていくのが悲しい。 ニュースでは伝わらないリアルな空気感があった。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品