![歩き娘 シリア・2013年](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/002033/0020330190LL.jpg)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2024/06/06 |
JAN | 9784560093559 |
- 書籍
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歩き娘
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歩き娘
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商品レビュー
4
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※このレビューにはネタバレを含みます
歩くことを止められず、舌を動かすことを放棄した少女がシリアの化学兵器が使用された土地に縛り付けられる。 想像を絶する痛ましい環境にあっても彼女の生命の逞しさ、知力の輝きが描かれている。 意外だったのはシリアでも『星の王子さま』や『不思議の国のアリス』が読まれていること。図書館で出会う物語は私たちと変わらない。 イスラムには馴染みがないので「ユースフの章」と書かれていてもピンと来ないのがもどかしかったです。食べ物もよく分からず…。 『アンネの日記』を思い出しました。シリアの状況が少しでも良くなりますように。
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2024-8-18(日)、サマル・ヤズベク著『歩き娘』を読み終えました。シリア出身の作家の本を読むのは初めて。7-27(土)日経書評欄で紹介されていました。何だろう?と一瞬考えてしまう『歩き娘』という題名と、書評の見出し「シリアの惨劇 刻まれる記憶」に心が動いて読んでみようと思...
2024-8-18(日)、サマル・ヤズベク著『歩き娘』を読み終えました。シリア出身の作家の本を読むのは初めて。7-27(土)日経書評欄で紹介されていました。何だろう?と一瞬考えてしまう『歩き娘』という題名と、書評の見出し「シリアの惨劇 刻まれる記憶」に心が動いて読んでみようと思ったのです。 副題には「シリア・2013年」とあります。この本は2013年8月にシリアで実際におきた惨劇をベースに、「私」が「あなた」に向けて書いている手記のスタイルをとっている物語。ページを開く前までは、調査報道かドキュメンタリー的な作品かなと勝手に考えていました。1ページ目を読み出して、小説であることを理解しました。 語り手である「私」は、歩き出したらとまらないいつも紐で繋がれている、舌の筋肉が動かない動かさない、十代の少女。「私をつかさどる精神は、頭ではなく下の足のほうにあるので・・・いつか私を歩きに歩かせてほしい・・・」と最初の方で語ります。何だろう?精神が下の足の方に?、紐で繋がれているのに『歩き娘』という題名とともにに、この言葉が頭の中をグルグル回ります。作品を読み進むにつれて益々不思議な感覚が増えてくる。首を傾げながら何度も戻って読み返してしまいます。柳谷あゆみさんの訳者あとがきを読んではじめて、あっそうなのか!と思ったのです。この小説の設定に隠されたメッセージ、抵抗のメッセージを知ることができました。 もちろん、アラブの春から現在に続くシリア内戦のことは、その悲惨な状況を新聞報道などて断片的に知ってはいました。でも、10年前の記憶は徐々に薄れつつあるし、最近は世界の他の問題がクローズアップされているし。正直なところ、シリア内戦のことは頭の片隅に移りつつあったのが現実です。 2013年8月の出来事の描写は強烈です。シリアの封鎖地への攻撃で、化学兵器・毒ガス爆弾が使用され多くの犠牲者が発生した惨劇です。オレンジ色と赤と黄色に変わった空。すみれ色に染まった風景。嫌な臭いの泡。オレンジ色の液体。青ずんだ体。「私の周りの色は暗くはありませんでした。死んでいるのに、光に照らされていたんです。」惨劇の記憶が語られる。胸に迫ります。私たちは忘れてはならない、記憶に刻まなければならないと強く感じました。 本書を読んで良かった。次は訳者あとがきで紹介されている『無の国の門』を読んでみようと思っています。
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シリアで実際に起きたことをベースにした小説、とのこと。 少女の視点でつづられた日常。少女の純粋さが痛々しかった。周りの人たちがいなくなっていくのが悲しい。 ニュースでは伝わらないリアルな空気感があった。
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