商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2024/06/07 |
JAN | 9784480076205 |
- 書籍
- 新書
アッシリア 人類最古の帝国
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アッシリア 人類最古の帝国
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世界最古の帝国アッシリア。 都市国家アッシュルの誕生から領域国家、そして帝国へ。 滅亡に至るまでの約1500年の歴史を、 多く遺された粘土板等の文書や考古学資料を基に、 詳細に解き明かし、解説する。 ・はじめに 序章 「アッシリア」とその史資料 第1章 都市国家アッシュル――古ア...
世界最古の帝国アッシリア。 都市国家アッシュルの誕生から領域国家、そして帝国へ。 滅亡に至るまでの約1500年の歴史を、 多く遺された粘土板等の文書や考古学資料を基に、 詳細に解き明かし、解説する。 ・はじめに 序章 「アッシリア」とその史資料 第1章 都市国家アッシュル――古アッシリア時代 第2章 領域国家アッシリアの成立――中アッシリア時代 第3章 帝国への序曲 第4章 帝国期の幕開け 第5章 サルゴン二世と「サルゴン朝」 第6章 センナケリブの治世と帝都ニネヴェ 第7章 エサンハドンの偉功と苦悩 第8章 アッシュルバニパルとアッシリアの繁栄 第9章 帝国の落日 終章 アッシリアの記録 ・おわりに ・あとがき 王名一覧、図版出典、主要参考文献有り。 古アッシリア時代、紀元前3000年紀には楔形文字文書で 言及されていた、都市アッシュル。国際交易の物流で潤い、 アッシリア王国への道へ。だが暗黒時代と他国の影響下に。 中アッシリア時代、独立し領域国家に変貌。 他国との対峙あれども、領土を拡大する。 前1200年以降の大国の文明崩壊のダメージは受けず。 だがアラム系部族の侵入で領土が縮小。 新アッシリア時代、アッシュルの地を回復すべくの軍事遠征で 再征服。アッシュルの地の外側には属国が連なった。 中央集権から地方の行政長官への分権化も。 一人の王(皇帝)と少数の腹心による、アッシリア帝国へ。 領土拡大でエジプトの首都メンフィスを占領するまでに。 大規模な文書収集を行ったアッシュルバニパルの世は、 帝国の最盛期となったが、その末期からは彼の死が 不明なほどに内情は混乱し、バビロニアとメディアの 攻撃を受け、数十年後にはアッシリアは滅亡する。 古アッシリア時代の高度な商取引と投資信託。 時代を経る中での王政のシステム、行政と行政州、外交、 交易センター、軍事、水利事業、建築事業、信仰と儀礼、 文化などの高度な文明の姿と戦乱や内戦、王位継承の争い等、 粘土板の文書で、膨大な数が記録され、遺されています。 それらの今までの研究と新たな発掘や発見などがたっぷりと 提示されていて、アッシリアへの興味を補ってくれました。 しかも日本ではまだ縄文時代の最中ということも、驚きです。
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洋の東西、時代を問わず驕れる者久しからず。にしても1500年も続くなんて…4000年も前の出来事が文字で残され、当時の暮らしが見えてくる素晴らしさ。一方で、親子、兄弟間の権力闘争や裏切り告発制度。何も変わらぬ人類の愚かさも淡々と浮かび上がる。「略奪によって得られた富の配分に大きな...
洋の東西、時代を問わず驕れる者久しからず。にしても1500年も続くなんて…4000年も前の出来事が文字で残され、当時の暮らしが見えてくる素晴らしさ。一方で、親子、兄弟間の権力闘争や裏切り告発制度。何も変わらぬ人類の愚かさも淡々と浮かび上がる。「略奪によって得られた富の配分に大きな格差のある構造の中で戦争が起きた時、アッシリアを底辺から下支えしてくれるような人民層は育っていなかった。帝国期の膨張とともに帝国に包摂されていった人々の多くが“帝国臣民”としての自覚を持たず“支配者が誰でも構わない”という状態にあったことも滅亡に一役買ったのではないか」アッシリアの興亡は国の在り方についても多くの教訓を示唆してくれるが、人は同じ過ち繰り返すばかり。
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アッシリア。人類史上最古の帝国。圧倒的な軍事力と洗練された行政システムによって古代西アジア世界の統一を成し遂げた国家の繁栄の歴史を刻む。 アッシリアについて高校の世界史の教科書では数行に亘る記載しかない。アッシリアについての知識もほとんど持ち合わせていない。一般人がアッシリアにつ...
アッシリア。人類史上最古の帝国。圧倒的な軍事力と洗練された行政システムによって古代西アジア世界の統一を成し遂げた国家の繁栄の歴史を刻む。 アッシリアについて高校の世界史の教科書では数行に亘る記載しかない。アッシリアについての知識もほとんど持ち合わせていない。一般人がアッシリアについての知識を得ようとすると、これまではメソポタミアやオリエントといった中東を扱う歴史本の中での記載を読むしかなかったが、本書は一般人に向けたアッシリアについての新書で、紀元前2600年以降のアッシリアの歴史にどっぷりと浸かることができる。なぜこんなにも昔のことがこんなにも詳細に記載できるのか。その秘密は大量に発掘された粘土版に残された文字。その功績は、アシュルバニパルによる文書収集による。 ギリシア・ローマに関する書籍は山のようにあるが、アッシリアに関する書籍は驚くほど少ない。しかし、現代人が学ぶ歴史的意義は、ギリシア・ローマに匹敵する価値があると思う。 メソポタミアは現在イラク。イラクはイスラムの国なので、イスラムの前の自国の歴史にはあまり興味がないのであろうか。こんなにも歴史的価値の高い遺跡の研究を外国人研究者が研究するには言語の壁など障壁が多すぎるのではなかろうか。そういった点で著者の山田先生の功績は凄いと思う。山田先生がなぜアッシリアを生涯をかけた研究対象としたのか、その経緯をぜひ知りたい。
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