商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2024/06/05 |
JAN | 9784167922290 |
- 書籍
- 文庫
ゆうれい居酒屋(5)
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ゆうれい居酒屋(5)
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商品レビュー
3.8
13件のお客様レビュー
そこはルミエール商店街の裏通り。現在では整骨院になっている土地には、かつて米屋という居酒屋があった。その米屋をたった1人でやっていた女将が亡くなって、もう30年になる。 ところが今でも、夕方になり悩みを抱えた人が通りかかると米屋は忽然と現れ、悩める人は誘われるように暖簾をく...
そこはルミエール商店街の裏通り。現在では整骨院になっている土地には、かつて米屋という居酒屋があった。その米屋をたった1人でやっていた女将が亡くなって、もう30年になる。 ところが今でも、夕方になり悩みを抱えた人が通りかかると米屋は忽然と現れ、悩める人は誘われるように暖簾をくぐる。 さて今夜、女将の心づくしの酒とアテに邂逅する客の抱える屈託とは …… 。 東京葛飾の新小岩にある居酒屋が舞台のオカルトファンタジー。シリーズ5作目。 ◇ いつものようにうたたねから覚めた女将が軒先に暖簾を上げると、さっそく常連客の沓掛音二郎と井筒巻がガラス戸を開けて入ってきた。 女将の秋穂も心得たもので、音二郎にはキンミヤ焼酎の入ったジョッキとホッピーを出し、巻には燗酒をつける。少しして入ってきたのが、釣具屋店主の水ノ江時彦だ。時彦もホッピーを注文し、音二郎たちと世間話に興じている。 やがて軽く食事を終えた音二郎と巻が勘定を済まして出ていくと、いきなり雷鳴が轟き強い雨音が聞こえてきた。その時だった。ガラス戸を開けて若い男女が店に飛び込んできたのは。( 第1話「星空の鰯」) 全5話。 * * * * * 今回もいいお話でした。個人的に気に入ったのが第1話です。 もう少し紹介しておきます。 第1話「星空の鰯」 急な通り雨で飛び込んできた2人は、カップルではなくおひとり様同士でした。雨を避けようとして目についたのが2人とも米屋だったということです。 ( 男性の名は十倉準平で、女性の名は最上莉奈というのですが、この時点では読者にだけ明かされます。) 秋穂にタオルを渡され雨が止むまで休んでいきなさいと言われた2人は、椅子に腰掛けて酒を飲む気になります。 準平はビールを、莉奈はホッピーを注文。手酌でコップに注いだビールを飲もうとした準平は、莉奈が持っていた画集に目を留めました。それは準平が好きな宇喜多剛の作品集だったのです。 そこから2人は話が弾み、シジミ醤油漬けやモツ煮の美味しさで気持ちが明るくなったこともあって、自己紹介しあい、現在それぞれが抱える悩みを打ち明けるまでになりました。 やがて雨が上がり、別れしなに準平はもう1度ここで会ってもらえないかと思い切って口にします。もちろん莉奈は快諾。約束の日時を決めて別れました。2人を微笑ましげに見つめる秋穂でしたが……。 ☆米屋を訪れる冥界からの客に、一見さんが初登場。現世での出会いが実を結ばないのも無理ないので、悲恋物語ではありますが諦めはつきます。 ( これぐらいにしておきます。) このように本作は、シリーズで初めて見せる展開の話が並びます。 米屋も秋穂も健在だった30年前の出来事を描く表題作でもある第2話。哀しい女の伝言を預かった秋穂の思いが、30年経って蘇ります。 常連さん ( 井筒巻 ) の孫の真咲が、存命中にも関わらず米屋の客になる第3話。( ただし、30年前の若い姿で出てきます。) 以前に訪れた一見客がリピーターとして登場する第4話。ひと晩のうちなら再来店はありましたが、2年おいては初めてです。 そして、2作目『写真館とコロッケ』第3話で登場した女性 ( 飼い猫が迷子になり、米屋で相談に乗ってもらったふみえさんです。) が絡む最終話。ふみえさんに米屋を勧められた女性が秋穂に悩みを相談します。 ( そう言えば、ふみえさんは「とり松」で米屋の顛末を聞かなかったんでしたっけ。ごめんなさい、ちょっと覚えてません。) これまで続いてきたルールの枠のようなものが突如広がりました。もちろん、現世で悩みを持つ人を解き放つためでしょうから、不満はありませんが、驚きました。 「あとがき」で山口さんが、5作目なので遊びの部分を持たせたというようなことを書いていらっしゃいました。 知らなかったのですが、シリーズがポシャるのは4作目が多いそうで、山口さんにとってはこの5作目は記念すべき作品なのでしょうね。 さらに編集者から数年前に、他シリーズとのコラボ企画を提案されたのが、『食堂のおばちゃん』や『婚活食堂』とのレギュラー陣あい乗り入れに繋がったということでした。 ( 本作では第1話と最終話に話の中だけですが、あの人たちが登場しています。) 山口さんがこのグルメ3シリーズを、ますます自由闊達に展開してくださることは確実なようなので、これからも楽しみです。
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いつものパターンで安心して読める。時代劇のよう。母親が父親を毒殺したと思い込んでいた人にぱきっと意見する秋穂さんがかっこよかった。 最近は、格差が有り、駆け落ちして結婚するとか全く流行っていないなーと。 格差有る人と出会わない、結婚相手の実家は太ければ太い程良い、そこまで恋愛に重...
いつものパターンで安心して読める。時代劇のよう。母親が父親を毒殺したと思い込んでいた人にぱきっと意見する秋穂さんがかっこよかった。 最近は、格差が有り、駆け落ちして結婚するとか全く流行っていないなーと。 格差有る人と出会わない、結婚相手の実家は太ければ太い程良い、そこまで恋愛に重きを置いていないのが理由かな。
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「米屋」シリーズ第5弾です。今回秋穂さんのうたた寝の夢は、変てこな夢が揃っていますが、メニューは絶品、ストーリーは胸熱、一番泣けました。表題作が特に!
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