商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2024/05/08 |
JAN | 9784309421056 |
- 書籍
- 文庫
枕草子(下)
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枕草子(下)
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"女が一人住まいをする所は、ぼろぼろに荒れて無上などもきちんとしておらず、池などがある所も水草が目につき、庭なども達が茂るほどではないにしても、ところどころ砂の中から雑草が生えて、寂しげなのがよいのです。 できる女ぶって体裁よく手入れをし、門もしっかり閉じてきちんとして...
"女が一人住まいをする所は、ぼろぼろに荒れて無上などもきちんとしておらず、池などがある所も水草が目につき、庭なども達が茂るほどではないにしても、ところどころ砂の中から雑草が生えて、寂しげなのがよいのです。 できる女ぶって体裁よく手入れをし、門もしっかり閉じてきちんとしているのは、ひどくうんざりするもの。" 178段のこの下りがとても印象に残っている。何故なのかまだわからないけれど、これももしかすると定子様への祈りなのかもしれないと思った。 自分の身の回りの出来事をとても冷静に清少納言は観察している。良いも悪いもこえて心に留まったものを書き残す。書き残せば、自分が生きた事実も残すことができる。それを体現している人なんだな。 清少納言が「田植えと稲刈りが珍しい」と書いている事実にはいつも驚く。彼女もまた貴族の貴婦人であって、天皇の后に仕えたからこそこうして記録を残せたのだ。 もし私が千年前に生まれていたら、こうして読んだ本の感想を書くことなどできなかっただろうななんてことも考えた。 239段、定子が皇后となった頃、第三子を妊娠していた時の段が、あとの史実を知っているととても切なかった。 みな人の花や蝶やといそぐ日も我が心をば君ぞ知りける (華やかな方へと皆が去る日でもあなたは私の心のそばに) 本当に定子がこの和歌を詠んだとするのならあまりにも切ない。この時お腹にいた第三子の出産の時に、皇后定子は亡くなる。実際、この239段がわかっている中で最後の枕草子における定子の描写だそうだ。 自らの華やかな日々はもう帰ってこないのだと、皇后自身は分かっていた。それでも、定子は素晴らしい人だったのだと清少納言は伝え残したかった。だから今も枕草子はこうやって読まれ、人の心を打つ。 筆一本で大切な誰かの尊厳は守ることができる。そのことを千年たった今も思う。 260段 ひたすら過ぎゆくもの。 帆をかけた船。人の年齢。春、夏、秋、冬。 こうした清少納言の審美眼と、それを現代語に訳す酒井さんのセンスが好きだ。
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みな人の花や蝶やといそぐ日もわが心をば君ぞ知りける 定子と清少納言の関係性がよくわかる 没落していく中で、清少納言がそばにいてくれてどれだけありがたかっただろう…
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枕草子、清少納言、すごいな。下巻の方が私には面白く読むことができました。名前が恐ろしいもの、とか見た目には格別なことはなくても、文字に書くと大仰なもの、とかタイトルがすでに独特で面白い。視点が面白いのは随筆を書くのには必要だよなぁと改めて思いました。 今となっては枕草子は随筆とな...
枕草子、清少納言、すごいな。下巻の方が私には面白く読むことができました。名前が恐ろしいもの、とか見た目には格別なことはなくても、文字に書くと大仰なもの、とかタイトルがすでに独特で面白い。視点が面白いのは随筆を書くのには必要だよなぁと改めて思いました。 今となっては枕草子は随筆となっているけれど、定子様のサロンの同人誌的な感じだったのかなぁと思います。平安時代あるある、みたいなことを書いて、定子様を喜ばせたかったんだろうな。 清少納言のこと、定子のことをもっと知りたいなと思いました。そして、今更ながら原文で楽しめるようになりたいものだと思いました。
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