商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
発売年月日 | 2024/04/30 |
JAN | 9784336075963 |
- 書籍
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昏色の都
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昏色の都
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
表題作と2篇収録。 表題作の感想。 聴いた瞬間にそれが誰の曲なのか分かるように、小説も個性がある。日本人作家なら最も顕著なのは村上春樹氏だろうか。 諏訪哲史氏も独特の諏訪ワールドがある。小説を書くのが巧いとか下手とか文章が美しいとか内容や作家の思いとか、そういう既存の枠に囚われ...
表題作と2篇収録。 表題作の感想。 聴いた瞬間にそれが誰の曲なのか分かるように、小説も個性がある。日本人作家なら最も顕著なのは村上春樹氏だろうか。 諏訪哲史氏も独特の諏訪ワールドがある。小説を書くのが巧いとか下手とか文章が美しいとか内容や作家の思いとか、そういう既存の枠に囚われない(そんなことはどうでもいいと言わんばかりの)作品。自由に伸びていく蔓のような、光のような、振った筆から飛び散る絵の具のような。それから文字の形に対する異常な拘り。 途中から「あぁ、諏訪さんの作品はそうだった」と思い出して、読み方を変えた。脳の使う部分が違うように感じる。
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「昏色の都」(諏訪哲史)を読んだ。 表題作のほかに「極光」と「貸本屋うずら堂」を併録。 「昏色の都」はすごい! 端正でかつ美しい文章と耽美を極めあまつさえ淫靡ですらある郷愁と墨色に収斂していく諦観が織りなす静謐さを纏った物語。 この読書体験は衝撃的だわ。 とにかく「昏色の都」は...
「昏色の都」(諏訪哲史)を読んだ。 表題作のほかに「極光」と「貸本屋うずら堂」を併録。 「昏色の都」はすごい! 端正でかつ美しい文章と耽美を極めあまつさえ淫靡ですらある郷愁と墨色に収斂していく諦観が織りなす静謐さを纏った物語。 この読書体験は衝撃的だわ。 とにかく「昏色の都」は読むべし。 諏訪哲史さんの作品は十年以上前に「アサッテの人」と「りすん」を読んで以来なんだな。 すごく好きなところ。少し長いけれど引用する。 『 両側に並ぶポプラの裸木は、昏い空のなかへ、そのおびただしい、何本にも細かく分かれた枝々を、逆さになった球根の根のように一心に張る。 そして、静かに夜を吸い降ろす。地上に棲む、疲れたわれわれが、存分に新鮮な夜気を呼吸し、やすらえるように。』(本文より) "静かに夜を吸い降ろす"ってところが新鮮な驚き。 あードキドキした。
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中篇1作、短編2作 表題作 流麗なせせらぎは、読点を刻むことでゆるやかに揺蕩う クノップスの装画と挿絵は陰翳を助長し、詩のようなことばしっとりと愁いを帯びる しかし設定は現代のため折々、調子が狂う だって1つしか歳が違わない 転じて他2作は作風が異なり、ラストの作品は郷愁を誘う
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