商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2024/04/30 |
JAN | 9784098628285 |
- コミック
- 小学館
宗像教授セレクション 源氏物語と平安文学
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宗像教授セレクション 源氏物語と平安文学
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久々に読んだ宗像教授。タイトルにある通り『源氏物語』に関連したお話を集積した巻となっています。『源氏物語』と『竹取物語』『浦島太郎』の関連性について独自の論陣を張りつつ、宗像教授自身の人生と恋愛がオーバーラップするという構成は面白くもあり、男の理想みたいな臭さもあり、なんだかとっ...
久々に読んだ宗像教授。タイトルにある通り『源氏物語』に関連したお話を集積した巻となっています。『源氏物語』と『竹取物語』『浦島太郎』の関連性について独自の論陣を張りつつ、宗像教授自身の人生と恋愛がオーバーラップするという構成は面白くもあり、男の理想みたいな臭さもあり、なんだかとっても味わい深いです。この味わい深さは星野之宣独特の「省略の仕方」とか「場面転換の仕方」とかから来るもので、なんつうか登場人物との間に起こる情緒は希薄、というかはっきり言って下手です。登場する女性キャラは設定ありきで似たような顔の人、似たような性格の人ばかりですし、基本みんな宗像教授に好意を抱いてます。ある意味でこの巻で語られている「桐壺更衣、藤壺、若紫が三人で一人の女性を象徴している」という説と似たようなもんとも言えるかもしれません。いま思いついた単なるこじつけですが。まあ宗像教授シリーズはその「奇想」を楽しむのがメインの漫画なので、こんなもんで良いと私は思ってます。そして何より『源氏物語』を読んだ後だとかなり面白い奇想だなーと感じました。そんなわけあるかーい、と切り捨てるのは簡単ですが、説としての面白さを強調する話の持っていき方が上手いので読んでられます。やっぱこういう考古学系の漫画って楽しいなあ。宗像教授のダンディーな見た目は好きなのでまた絵を描きたくなりましたし。 あと、本編とはあまり関係のないシーンですが、夏祭りの場面で浴衣着たり半袖の人がたくさんいる中、一人だけ黒いスーツに黒いマントを羽織ってる宗像教授の姿がかなり浮いてて笑いました。宗像教授って夏でもずっとあの恰好なんですかね。だとしたらすごいな。 ちなみに、諸星大二郎と星野之宣は合作したこともあり、実際仲良しだそうです。なんだかほっこりしますよね。
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宗像教授のシリーズはほとんど読めてなく、またそのシリーズがどんなタイトルで何冊あるのかもなかなか分からず、しかも買おうとしたら高騰してしまっている作品も多数あり、新規で読むのが難しいな…と感じていたところに、宗像教授が平安文学に絡んだフィールドワークを行う作品のセレクションが刊行...
宗像教授のシリーズはほとんど読めてなく、またそのシリーズがどんなタイトルで何冊あるのかもなかなか分からず、しかも買おうとしたら高騰してしまっている作品も多数あり、新規で読むのが難しいな…と感じていたところに、宗像教授が平安文学に絡んだフィールドワークを行う作品のセレクションが刊行されたので、大喜びで手に取りました 凄い、これが宗像教授の世界か! と驚く“宗像説”が展開される物語に釘付けになりました 『竹取物語』と『浦島太郎』は実は共通の伝承を元にした作品で、それぞれが補足しあう内容なのでは? という前編からの、その伝承に秘められた物語を紫式部は看破して『源氏物語』の中へと換骨奪胎し組み込んだのでは? という壮大な謎解き 強引な論ではと思わなくもないのですが、それを語る宗像教授の論陣が力強い漫画で語られるから、引き込まれて酔いしれる古典歴史の旅を堪能できました 『竹取物語』と『浦島太郎』はひとりの運命の女性を想い追い求める伝承として『源氏物語』にも結ばれてゆく物語になる、という流れと 宗像教授の若き日の忘れ得ぬ女性との思い出が重なる展開もときめくものがあります あと、宗像教授がライバル? の女性学者や姪っ子さんたちにモテモテなのがいいっすね 宗像教授が魅力的なの分かります、恰幅のよい禿げたおじさまですが、えもいわれぬ魅力がありますね 「おじさま」と呼んで慕いたい気持ちもありつつ、自分が宗像教授になってフィールドワークに勤しみたい気持ちも両方感じます 不思議な心地です ところで、忌部さんはすごくお綺麗な女性ですが、悪の組織を脱走した元女幹部みたいなエピソードがあって、やや面食らいました 何なの忌部一族 漫画の絵柄は極めて端正で、博物的な精密さに主眼を置いている印象なのが素敵です でもしっかりと華やかさもあり、女性の描き方の艶もあるし、何よりも宗像教授のビジュアルがいいですね 恰幅のよい禿げたおじさまの、黒いマントのようなコートを翻して謎を追うお姿が実にかっこいい 帽子とステッキもお似合いですね 古代の日本の風景や、平安時代の装束や建物の描写、現代の古都や葵祭のカラーページを含んだシーンなども絵の力がすごく強くて魅力的でした 古代の大和朝廷が、服属させた一族は月読尊を奉じていた逸話も気になります 古事記などでも重要な神のはずなのに、ほとんど記述のない月読尊は、もしかして大和朝廷が意図的に抹消したのかもなんて思ったりしました 当時の権力体制により迫害され抹消された神話や神々は、日本のあちこちにあったはずで、長野県の諏訪市の諏訪大社と奉じられた神さまもその一端にあたります 諸星大二郎さんの『暗黒神話』ではその諏訪の神が大胆な脚色をされて登場していたので、長野県住まいとしてはときめくものがありました そして、星野之宣氏と諸星大二郎氏は、きっと合わせて読んだらより面白いのだなとも感じました と思ってたらこの書籍の巻末広告は諸星大二郎さんの作品のものでした やっぱり、客層は共通してるんですね
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