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ないた にわとり
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ないた にわとり

スズキトモコ(著者)

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1,408

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ひかりのくに
発売年月日 2024/03/23
JAN 9784564019401

ないた にわとり

¥1,408

商品レビュー

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2024/05/10

 スズキトモコさんは、2023年にボローニャ国際絵本原画展に入選されたことや、旅行ガイドブック「ことりっぷ」のイラストを描かれていたり等、既に第一線で活躍されている、イラストレーターで、本書は彼女初のオリジナル絵本となります(2024年)。  画像検索で調べてみると現れる、レト...

 スズキトモコさんは、2023年にボローニャ国際絵本原画展に入選されたことや、旅行ガイドブック「ことりっぷ」のイラストを描かれていたり等、既に第一線で活躍されている、イラストレーターで、本書は彼女初のオリジナル絵本となります(2024年)。  画像検索で調べてみると現れる、レトロで落ち着いた中にも新しさを感じさせるグッズのように、そんな懐かしさと新しさが融合したような素敵な雰囲気は、本書の主人公である、にわとりの色使いやデザインにもよく表れていながら、リソグラフによる絵の輪郭の擦れ具合が、また懐かしさを引き立たせているようで、更に本書の装丁もスズキさん自身が手掛けている凝りようには、一つのアート作品として、子どもだけではなく大人も楽しめるような印象を抱かせる。  また、「にわとり」の個性的なデザインと、シンプルな可愛らしさが魅力の「バラの花」との対照的な様は、表紙と裏表紙とで別れているように、物語に於いても、その対照性が鍵となっており、それはタイトルに二通りの意味があることとも大きな関係性がある、人間は外見と内面の二つがあることで、初めて成立することの意味するところだと思われた。  最初は、周りの花たちの存在が何故か気に入らなかった、にわとりは、バラの花の美しい歌声でそれがピークに達したようで、毎日のように喧嘩していたが、ある日、その庭のある家に住むおじいさんが、テーブルに飾るためにバラの花の茎を切って行ってしまうと、たちまち辺りはシーンと静かになり、これでせいせいしたと、にわとりは思い、これからはバラの花の代わりに自分が歌ってやろうと思ったのだが・・・。  ずっと表紙のような限られた色合いで進行するのかと思ったら、にわとりが独りぼっちになったあたりから、少しずつ変化していったことで、これは、にわとりの心模様を色で表しているのだと思い当たり、最初こそ、バラの花がいなくなって喜んでいた、にわとりであったが、その思いは次第に萎んでゆき、やがては絶望感へと達するが、そこで衝動的な行動に訴えたことが雨を呼び、それらに洗い流されたのは、おそらく彼の心のわだかまりだったのだろうと、私には思われた。  そして、そんな思いにさせてくれたのは、雨が上がった後の爽やかな朝の光景も同様で、雨は、にわとりのわだかまりだけではなく、外見だけで判断されるような悲しき価値観も流し去ってくれたのであり、その効果は、それまでの寒々しい寒色系の色から、一気に目が覚めるような暖色系の温かい絵へと様変わりするくらい、にわとりにとっては、文字通り世界が様変わりしたような、そんな言葉に表せない嬉しさが、二つの意味を持つタイトルを通して、終盤のにわとりの本能的な心からの行動によく表れていたのだと思う。  また、そうした思いを得たのは、にわとりの内に秘めたものを初めて知った、バラの花も同様であった点に、改めて外見だけではなく内面も大切なことを教えてくれたが、私には本書の絵のデザイン性が強すぎて、物語の内容と完全に一体化しているとは思えなかったことが、最後まで気になってしまい、このような評価に。絵は素敵だと思うのですがね。

Posted by ブクログ

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