商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2024/02/21 |
JAN | 9784334102296 |
- 書籍
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鳥人王
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鳥人王
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商品レビュー
4.1
17件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【俺の人生、もっと高く跳べるはず】 本屋で装丁を見て、「お、漫才師のシルエット!芸人の話だ!」と思い購入! タイトルも「鳥人王」だし、笑い飯さんのネタ「鳥人」になんか関係あるのかなと。 読んでみてびっくり。鳥人王は「ちょうじんおう」と読み、漫才師が棒高跳びに挑戦する話だった。 あらすじ。 主人公は漫才コンビ、パセリパーティの御子柴陸。 コンビ活動はM-1一回戦落ちと、うだつが上がらない。 30歳がきたら芸人を辞めることも視野に入れていた。 しかし運動神経抜群の御子柴は、ピンで「アスリートチャレンジ」という番組に抜擢される。 番組では陸上、水泳、クリケットなどなど、いろいろなことに挑戦させられ、その度結果を出してきた御子柴。 今度は「マスターズ陸上」という、オリンピックを目指していない人が集まる社会人の陸上大会の棒高跳びでの優勝を目指すことに。 未経験からの挑戦が始まる。 練習で訪れた大学。そこにいたのは犬飼という棒高跳びでパリオリンピックを目指している現役選手。一癖も二癖もあるいけすかない性格だが、実力はもちろん本物。 マスターズ陸上優勝と、パリオリンピック出場枠をかけての2人のドラマが描かれる。 感想。 実は視点は御子柴の他にもう1人、狐塚翠(こづかみどり)の視点から描かれている。狐塚は、元棒高跳びの選手で、今は大学で棒高跳びのポールの研究開発を行っている。ここで明かされる日本の棒高跳びの現状が面白かった。 ・かつてポールが竹で作られていた時代は日本も強かった。メダルも取ったことがある。 ・今はガラス繊維や炭素繊維で作られた強化プラスチック製で日本では作られていない。 ・1本10万円を超える。 ・記録が伸びるたび15センチなど、細かく刻んでポールを長くしていくため莫大な費用がかかる。 などなど、競技を楽しむための豆知識がたくさんで非常に面白い。 棒高跳びのほかにも、スキージャンプ、鉄棒の大車輪、フィギュア、アイスホッケーなどなど、自分の幼少期と全く接点のない競技は、どのタイミングで練習を始め、出来るようになったのか不思議だったので少しでも知れて嬉しかった。 もともと棒高跳びなど人間離れした競技を見るのが好きなのも功を奏して、のめり込むように読んだ。 御子柴と相方の関係に変化が訪れ、それからの感情の変化。また犬飼の過去と、御子柴との関係性の微妙な移り変わりも楽しめた。 さらに棒高跳びの描写がすごい。作中何回も何回も飛ぶのに、表現のバリエーションが豊富で、文章を読んでいても映像が浮かぶ。力強い書き手だなと思った。 引っかかったことが一点あるとすれば、この作品だけではないけれど「売れない芸人」という言い方は好きではない。「まだ売れていない芸人」であるだけなのだから。 ———紹介(公式より)——— 売れない芸人と五輪代表候補の大学生。二人を繋ぐのは棒高跳だった。明日を迎えるのがきっと楽になる、夢と現実のその先にある物語。 「不思議なんですよね。漫才のコンテストで落ちたのは仕方ないって思ったのに、棒高跳で負けて、悔しいって思うんだなって」 お笑いでは芽が出ず、身体能力ばかりが評価され、番組の企画で棒高跳に挑戦することになった崖っぷちの芸人。 その番組を通じて共演するのは、パリ五輪が目標のいけ好かない大学生アスリート。出会うはずのなかった二人、それぞれの跳躍の先に広がる景色は――。
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最高に面白い。棒高跳びというマイナーな競技で、あまり興味もありませんでしたが、作者が好きで読みました。挫折と胸熱があり、競技にも興味が湧きました。
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相変わらずうまいなぁ。ぐいぐい持っていく。棒高跳びなんてまったく身近な競技でもないのに、夢中になって読んだ。
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