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カーストとは何か インド「不可触民」の実像 中公新書2787
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カーストとは何か インド「不可触民」の実像 中公新書2787

鈴木真弥(著者)

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カーストとは何か インド「不可触民」の実像 中公新書2787

990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2024/01/22
JAN 9784121027870

カーストとは何か

¥990

商品レビュー

4.5

5件のお客様レビュー

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2024/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 インドにおける「不可触民」差別の現状が具体的にわかりやすく書かれており、日本における様々な差別とリンクさせながら考えることができた。アファーマティブ・アクションに対する反発なども、なんとなくイメージがつくところではある。  特に、「食」に対する記述が興味深かった。「食」について、「不浄」とされるダリトの人々は「与えられる側」になり得ても「与える側」となることを避けられる。穢れの意識が食と結びついて考えられることは私にはあまり馴染みのないことだったので、社会に存在する差別がどのように現れているか改めて見つめ直してみたいと思った。 (本書でも指摘があったように、『パラサイト』の「スメル」も、臭いが差別に結びつくかなりハッキリした描き方でしたね……)

Posted by ブクログ

2024/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

インドの日記をまとめていたところに見かけてしまったのでついついジャケ買いしてしまった。 中公新書、たまにタイトルが強気すぎて、中身がちょい詐欺な感じになってるものもある印象だが、これはしっかりとカーストとは何かについて書いていた。 むしろ想定以上に書いてあり、読む前の「カーストって何だろう?」が、読んだあとに「カーストとは一体…」という強い疑問に進化してしまったほど。 カースト、仕組みや成り立ちとしては士農工商穢多非人に近いイメージだが、そのカーストに生まれた者は能力関係なくずっとその職業にしかつけないというのが違う。とはいえ、日本のもそうそう入れ替わったりしなかったような。日本の差別は穢多非人があってしまうが、さすがに現代にはおおっぴらには残っていない。それが、インドではとても普通に残っている。 実際、自分がインドに行ったときも、清掃カーストというのか掃除のおじさんおばさんが異常に多かった印象。彼ら彼女らが転職できないのかどうかは知らないし、現地の人においそれと聞けないのでわからなかったが。 カーストのランクそのものより、仕事の範囲がものすごく厳密に決まっているため、自分の担当範囲外は意地でも仕事をしない、という印象が強かった。 ただ、特に最近は差別やマイノリティなどの問題に対して世間が熱くなっていることや、ネットの力で個人の声を広めやすくなったこともあり、かなり変化に加速がついている感じがする。それでも大きな変化が出るまではあと数世代かかりそうというのが国内の人々の感覚らしい。 死に関わる仕事である葬儀や死体処理、皮剥ぎ、そして掃除などの不衛生な仕事はカーストが低く、給料も低い。そして上位カーストの人たちはその下位カーストと一緒に食事をしなかったり、触れるのも避けるみたいなルールがある。これらはそもそもトイレや下水道などの不衛生なものが、技術進歩の恩恵を受けないままでマジで不衛生だったことが原因のよう。 人間が汚れを避けるのはある意味本能ではあるし、下手にそこだけを差別しちゃだめだよ、と厳しいルールをつけたりすると、それこそ伝染病の蔓延につながったりしてしまうのでは、だからある意味差別、というのは言葉が強いが、接触を避けるのは仕方ないんじゃないかな、と思ってしまう。 まあ、そこは政府もわかっているようで、水洗トイレの整備などを進めている様子。まあ、まだだいぶ時間がかかるだろうけど… ただ、別にカースト=不衛生な仕事とかではなく、政府が公式に決めた「指定カースト」という仕組みでは他にも仕事がある。更にカーストによっては優遇措置があるとのこと。でも、そのためには自分のカーストを公表しなきゃならないという問題もあるようで、なかなか大変そうだ… 自分のカーストを秘密にしたまま大学に行ったりしている人たちもいるみたいだし。 でも… 政府が公式にカーストの存在をしっかり決めてしまったというのがなかなかややこしいように思えた。こういうのは下手に決まりを作ってしまうと、ルール外の問題が出たりして大変な印象がある… 本を読む前に知っていたインドの偉人はガンディーだけだったが、同じくらい、いや、今ではそれ以上に信仰に近い尊敬をされているのがアンベードカルという政治家らしい。 ガンディーは不可触民解放運動をしているから、とにかく同じ権利にしろ、という意見なのかと思ったら、差別意識を取り除くのは必要だが、政治的権利を与える必要はない、という主張だった。そこを、アンベードカルはちゃんとみんな政治的権利を持たなければならない、という意見。単純に見れば確かにアンベードカルの考えが妥当に思える。 …が、p83にもあった、「マイノリティが自治および独自の政治的権利を強く要求した場合、分離主義に至る。」というのを知ると、ガンディーが慎重に行きたかったのも理解できてしまう。この仕組みでイスラム教徒によるパキスタン建国が起きたようなので、そういうのを避けたかったということか? IT業務はカーストが関係ないからどんな生まれでも仕事につけるという、自分がインドで仕入れた知識はこの本では語られていなかった。実際どうなんだろう。この本を読むと、やっぱり出自はずっとつきまとってくるように思えるが… 今のところはカースト問題を解決するよりも、海外に行って活躍するのが楽(ただし海外に行っても結局インドコミュニティができてしまい、その中でカースト問題が再燃している模様)に見えるなぁ。と言っても、海外に行ける人なんてものすごく限られてるか… でも昔に比べればマシなのか?うーむ、やっぱり難しい。下手に口を出せないな… でも、下手に口を出せないな、とわかっただけでも大事!

Posted by ブクログ

2024/03/23

差別のない世界はない。宗教・人種・民族あらゆることが差別のもとになる。「隣の芝生は青く見える」的発想は逆説的に差別を生む。

Posted by ブクログ

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