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ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇 岩波文庫赤416-6
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ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇 岩波文庫赤416-6

クライスト(著者), 山口裕之(訳者)

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ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇 岩波文庫赤416-6

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2024/01/18
JAN 9784003241660

ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇

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商品レビュー

4.6

6件のお客様レビュー

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2025/06/08

当時の時代背景、宗教、作者の生き様も加味するとさらに味わって読めるかな。物語性、スピード感含めて今でも面白く読めるのは、訳者に寄るところであろうが、200年以上経っておりびっくり。 岩波文庫は、面白い。

Posted by ブクログ

2025/02/02

発売日に「名著新訳」の帯に釣られて買って1年。Penguinさんのレビューを見るまで、すっかり忘れてました。こんな名作を1年積んでいたことを後悔しきりです。ありがとうございます。 収録は三作品。どれもグイグイ読ませる名作だと思います。ところで帯に「名著新訳」とありますが、岩波文...

発売日に「名著新訳」の帯に釣られて買って1年。Penguinさんのレビューを見るまで、すっかり忘れてました。こんな名作を1年積んでいたことを後悔しきりです。ありがとうございます。 収録は三作品。どれもグイグイ読ませる名作だと思います。ところで帯に「名著新訳」とありますが、岩波文庫の”青・白”は「名著」でも、”赤”はフィクションなので「名作」ですよね。 以下、あらすじと感想。 『ミヒャエル・コールハース』 舞台は16世紀のドイツ。馬商人のミヒャエル・コールハースは、取引先のユンカー(地主貴族)に理不尽な方法で馬を奪われます。後日、その馬や馬と一緒にいた下僕の酷い扱われように憤慨した彼は、法廷に訴えるも権力の壁が厚く立ちはだかります。怒りに暮れた彼は、法が叶わぬならと自ら私刑に撃って出ます。それは次第に暴徒たちを巻き込んで武装蜂起にエスカレートして……。 と、コールハースは正義感の塊で、不正に対しては徹底的に争うのですが、町を焼き払う戦闘の圧倒的な描写力にはグイグイ惹きつけられました。ただ、そんな彼が最後まで争う姿勢を貫くストーリーは、やはり人は一人で生きているわけでは無いので、代償も大きかったわけですけどね。後先を考えない、行き過ぎた正義感に対して考えさせられました。 なお、作中にマルティン・ルターが出てきたのが興味深かったです。 『チリの地震』 舞台は17世紀のスペイン領チリの都市サンティアゴ。貴族の一人娘ドニャ・ホセファは、恋仲になったヘロニモ・ルヘラとの関係が親に露見し、引き離されて修道院に入れられます。しかし、ドニャは行先の修道院でもヘロニモと逢引きし、不義の罪で死刑宣告されてしまい、ヘロニモも牢獄に繋がれてしまいます。そんな折、大地震が起きて都市は壊滅状態になり、二人は奇跡的にも囚われの身から自由になって再会。生き延びた他の人々と新たな暮らしを歩みだそうとしますが……。 地震で崩壊した街を、人々が手を取り合って立ち直っていく話しかと思いきや、まるでギュスターヴ・ル・ボンの『群集心理』を思い起こさせる結末に呆然。せっかく楽園を手に入れたかに見えた二人に、皮肉にも神につかえる聖職者がきっかけで、あのような結末になるとはね。傑作短篇。 『サント・ドミンゴでの婚約』 サント・ドミンゴ島のフランス領ポルトー=プランスでのこと。白人に対して敵意と復讐心の塊のような老黒人のホアンゴは、自分の留守に白人が食料や宿を求めて来たら留め置くようにと、家人のバベカンとトニに要求していました。それはホアンゴが偵察から帰宅して、留め置かれた白人を殺すためでした。 ある日、白人将校グスタフが、町での黒人との争いから逃れて、ホアンゴ不在の家に身を寄せます。そこで若い女性のトニは彼を殺す計画に従うべきか悩みつつも、グスタフに恋心を抱いてしまいます……。 ああ、短気は損気。なんとなく結末がわかりつつも、きっとなんとかなるはずと、ハラハラドキドキしながら読みましたが、相手を信じることの大切さを、改めて思い知らされました。これも傑作。 三作品とも良かったですが、『ミヒャエル・コールハース』は、たくさんの人名や地名が出てきて少し分かりにくいところもありました。ただ、解説のP305〜P309に人名と地図が載っていますので、迷子にならずにすみましたが。出来れば巻頭にあればいいのにと思いました。 ところで、ドイツの作家クライストは、森鷗外が訳したこと位しか知らなかったですが、解説で、多和田葉子さんの『エクソフォニー』に言及されている箇所があるとのことで、こちらもいつか読みたいです。 正誤(第1刷) P29の8行目:コースハース→コールハース

Posted by ブクログ

2025/01/24

筆者のクライストは18世紀末生まれ、この作品は19世紀(1800年代)初頭。 古い。しかも岩波の赤帯。構えるよね。わかる。わかるよ。 ただ、その先入観を一切捨てて読んで欲しい。 まずはとにかく最初の「ミヒャエル・コールハース」を読んで欲しい。 確かに舞台は古い。19世紀のクライ...

筆者のクライストは18世紀末生まれ、この作品は19世紀(1800年代)初頭。 古い。しかも岩波の赤帯。構えるよね。わかる。わかるよ。 ただ、その先入観を一切捨てて読んで欲しい。 まずはとにかく最初の「ミヒャエル・コールハース」を読んで欲しい。 確かに舞台は古い。19世紀のクライストがさらに昔の中世のドイツを描いている。 やばい私この感覚理解できるかなって一瞬不安になる。 しかしそんなのは杞憂に終わる。コールハースが馬と妻を失ってからの復讐劇。 本から溢れ出る復讐へのパッション。打ちのめされる。 続く「チリの地震」と「サント・ドミンゴでの婚約」も同様。 舞台は古い。ただ、そこで生まれる、本に収まりきらないほどの愛と憎しみ。 これは時空を問わない。私たちにも容易に理解できるし、そして私たち共通の感情について誰よりも理解し、それを文字として表現できるクライストに舌を巻く。 溢れ出るパッションに打ちのめされる。 本書解説にも書かれているし、各所で言われていることであるが、クライストの文章は癖がある。 癖があるというか、英語で言うところの関係代名詞をやたらと繋げて説明していくので、長い。 しかし、慣れてしまえば独特の韻律がむしろ心地よくさえなってくるし、なんなら短期記憶の訓練だと思えばいい。 集中力だいぶ鍛えられる。 そして繰り返しになるけど、この集中して読み取った先の、溢れ出るパッションをぜひ感じ取って欲しい。 岩波だろ古くさいだろなんて思ってごめんねって絶対おもうから。

Posted by ブクログ