商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2024/01/16 |
JAN | 9784065335437 |
- 書籍
- 文庫
網走発 遙かなり 改訂完全版
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網走発 遙かなり 改訂完全版
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
世田谷区成城。世間では高級住宅街というイメージが強い場所だが、そのはずれ、〈私〉は、世間のイメージからはほど遠い建売住宅が密集した地域に住んでいる。成城学園前駅方向は小高い丘になり、丘の中腹から高級住宅街がはじまる。だから私は、荒んだ気持ちを抱えながら、そのあたりを『丘の上』と...
世田谷区成城。世間では高級住宅街というイメージが強い場所だが、そのはずれ、〈私〉は、世間のイメージからはほど遠い建売住宅が密集した地域に住んでいる。成城学園前駅方向は小高い丘になり、丘の中腹から高級住宅街がはじまる。だから私は、荒んだ気持ちを抱えながら、そのあたりを『丘の上』と呼んでいる。〈私〉と同じように〈丘の下〉に住むとある老人がいて、認知症の疑いもあるその老人は奇行を繰り返していた。老人の真意とは――「一章 丘の上」 ということで、本作は独立した短編としても読める三つの短編と、その短編が繋がり、ひとつの大きな輪をつくる「終章 網走発遙かなり」の全四章で構成された物語になっています。一個の短編として一番印象的だったのは、謎めいたピエロの行動を追う「二章 化石の街」で、意外な犯罪計画が浮かび上がってきて、その大胆さも含めて、とても面白かったです。 そして、すべてが繋がり、終章にいたって、ひとりの人間の生きた証が立ち上がるラストは、鮮やかな情景とともに心を打たれるものがあります。
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島田荘司氏の作品として突出した高評価ではないのですが、それでも★5とせざるを得ません。最大の理由は、圧倒的な文章力です。特別美しい言葉や巧みな表現が際立つ訳ではないのですが、実際はそれらが散りばめられているのにもかかわらず、余りに物語に引き込む力が強すぎて気が付きません。文脈、表...
島田荘司氏の作品として突出した高評価ではないのですが、それでも★5とせざるを得ません。最大の理由は、圧倒的な文章力です。特別美しい言葉や巧みな表現が際立つ訳ではないのですが、実際はそれらが散りばめられているのにもかかわらず、余りに物語に引き込む力が強すぎて気が付きません。文脈、表現、句読点の位置などに不自然さや引っかかる所が無さすぎて、目から入った瞬間にイメージに変換されてしまうからです。 氏の作品には人の弱さや社会の影の部分を書いたものが多い印象ですが、それらをぶち壊す個性と魅力を持つ探偵を合わせることで万人に愛される作品へと昇華されているのが御手洗潔シリーズかと思います。それと比較すると、この作品の読後感はあまりいいものではないですし、読んでいる間の“やがては御手洗潔に癒される”という安心感もありません。それでもページをめくる手が止まりません。 もちろん★5なのは文章だけでなく、ストーリーやミステリとしても、しっかり楽しめます。また後味もそれほど悪いものでもないので、あまりネタバレに触れる前に読むのが正解かと思います。
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「改訂完全版」ということで再読。 すっかり内容を忘れていました。 東京の高級住宅街で起きる誘拐未遂。 都心のデパートや地下街で ピエロに翻弄されるサラリーマン。 江戸川乱歩の古い写真を持つ謎の老女。 その3話それぞれのミステリで 作者らしい「不思議」味を楽しめるので それらが...
「改訂完全版」ということで再読。 すっかり内容を忘れていました。 東京の高級住宅街で起きる誘拐未遂。 都心のデパートや地下街で ピエロに翻弄されるサラリーマン。 江戸川乱歩の古い写真を持つ謎の老女。 その3話それぞれのミステリで 作者らしい「不思議」味を楽しめるので それらが最終章でつながって 実は「そういうこと」だったのかとなるのは まぁ一粒で二度美味しいようなものかしら。
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