松かげに憩う(肆) ヤングチャンピオンC

雨瀬シオリ(著者)

• 販売会社／発売会社: 秋田書店
• 発売年月日: 2024/01/18
• JAN: 9784253303897

商品レビュー

2024/07/23

名前だけ聞いたことはあるけどよく知らなかった久坂玄瑞。
こういう流れでしたか長州藩。
『無尽』では支離滅裂だった長州の動きは（分かったところで支離滅裂ではあるのだけれど）バラバラに暴走した末路だったのだな。
究極「正しさ」は確定できないから「何を信じ何に命をかけるか」にしかたどり着けない。

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

どの時代もどの場所もそうやって生き続けるしかないんでしょう？松陰先生。
今ある戦争もきっと、内実はそうなんでしょう？
確かにブレない様は美しい。打算の入り込む余地のない、傍から見れば狂った様は、清々しいほど。

だけど、とても、罪深い。

2024/01/26

寂しがりで、どこかなよっとした男の久坂編。
狂うた男は美しいと説く先生のためもがく姿は美しいというより、生前持っていたものにも死後残したものにも気付けないさまは哀れみを誘いました。
愚かだなぁって読者という神目線から思ってしまう。でもその愚かさが人間らしくて心揺さぶられる。
文さんは久坂なんか忘れて精一杯生きて欲しい。
獄中の松蔭先生相変わらずでかわいいです！久子さんとの恋の話が掘り下げられてて嬉しかった。富永が松蔭先生を慕う訳が分かって和みました。
久坂の兄さんの詩や、久子さんと松蔭先生の俳句に季節の香りがするような情緒的な絵が添えてあって、とても清らかな気持ちになりました。この時代の文字の文化、豊かだよなぁ…
21話の先生の教え、格好いい。壁に貼っときたい。