商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NHK出版 |
発売年月日 | 2024/01/10 |
JAN | 9784140887134 |
- 書籍
- 新書
日本の動物絵画史
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日本の動物絵画史
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商品レビュー
4.5
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
書庫らでん で知った一冊、誰かに薦めてもらうことが 自分の読書の幅を広げてくれるのが面白いです 色々と書かれているテキストもとても面白いのだけど 何よりこの本、絵画達がカラーで 掲載されているのが、ものすごいでず ここで出会って テキストで いろんな背景を知った絵画達 本物を見に行けるのならば 行ってみたくなります 本に掲載されるサイズを超えた リアルの持つ迫力を感じてみたくなります 誰かが何かをどう感じるのではなく 見た私がどう感じるのかが 楽しみになります
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ここのところの「かわいい日本美術」ブーム。 著者はその仕掛け人だったかな…? 本書では古代から近代にかけての、動物を描いた日本絵画を取り上げていく。 たしかに、古代と近代の記述が少ないとも言えるが…。 単に「かわいい動物絵画」を、自分が好きなように愛でるのもいいけれど、どんな...
ここのところの「かわいい日本美術」ブーム。 著者はその仕掛け人だったかな…? 本書では古代から近代にかけての、動物を描いた日本絵画を取り上げていく。 たしかに、古代と近代の記述が少ないとも言えるが…。 単に「かわいい動物絵画」を、自分が好きなように愛でるのもいいけれど、どんな文脈の中に位置付けられるのかを知ると、一層興味深く絵画に向かえるような気がする。 例えば、鳥獣戯画(鳥獣人物戯画)。 動物の描き方のお手本があったのではないかというのだ。 長屋王の邸跡から出土した、土器に落書きされた猿。 あるいは平安末期、奥州藤原氏の「柳之御所」から発掘された折敷(よく残っていたものだ!)に描かれたカエル。 仏画や美術品の意匠として入ってきた実在または空想上の動物も、ある種のアイコンのようになって、やがてささっと描ける人が生まれていく。 そういった流れの中に、鳥獣戯画もある、ということになるようなのだ。 禅宗寺院にある猿や虎の図は、なぜかかわいらしい。 筆者はそこに、仏教のすべての命を慈しむ考え方があらわれているのではないか、と言っている。 他の解釈の可能性もあるのかも?とは思うが、そんな風に考えたことはなかったので、面白かった。 筆者の専門である江戸については記述も厚く、さまざまな切り口が用意されている。 縁起物のお決まりの画題の中から、画家たちが個性を発揮していったりもする。 かと思えば、本草学の進展の中で作られる図鑑のこと。 幕府や大名たちのバックアップで作られ、写実的に描く技術が蓄えられ、そして時に美術品としても鑑賞される対象となる。 狩野派と将軍とはまた異なる美術と武家の関わり方に、文化の幅の広さを感じる。 一方、江戸期には「ゆるい」動物画も多数ある。 光琳のように図案化を推し進めた結果そうなったケースもあれば、当時流行った絵手本「略画式」シリーズの影響もあるという。 その嚆矢である鍬形蕙斎の『鳥獣略画式』は寛政九(1797)年初版で、明治期まで版を重ねたという。 本書に写真があるが、たしかに漫画的なかわいらしさにあふれていて、一度見てみたいと思う。 涅槃図も、動物画のメディアとして捉えられていて、そういう見方もあるのかと面白く感じた。
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日本絵画史の中で多彩に描かれた動物たち。 古代から近代まで、描かれた背景も伴い、 それらのカラー画像約90点超を添えて、解説する。 ・まえがき I 信仰と動物、失われた美術―古代・中世 第一章~第六章 II 平和な社会と多彩な動物絵画ー近世 第七章~第一一章 III 動物の心と人...
日本絵画史の中で多彩に描かれた動物たち。 古代から近代まで、描かれた背景も伴い、 それらのカラー画像約90点超を添えて、解説する。 ・まえがき I 信仰と動物、失われた美術―古代・中世 第一章~第六章 II 平和な社会と多彩な動物絵画ー近世 第七章~第一一章 III 動物の心と人の心ー近世~近代 第一二章~第一七章 ・あとがき 主要参考文献有り。 古墳絵画に描かれた、神獣。飛鳥時代の玉虫厨子の絵。 奈良時代の正倉院の御物。それらは海外渡来の美術の動物。 やがて仏教画の涅槃図や禅宗での水墨画にも動物が現れる。 「鳥獣戯画」の登場。禅の世界でのなんか可愛い動物も。 安土桃山~江戸時代初期の土佐派や狩野派の竜虎や鳳凰。 社会が安定し、美術が人々の身近になってきた時代、 縁起物から生まれた動物絵画の創作。鯉・鶴と亀・兎・鹿。 写実的でリアルな迫力。本草の高まりからの図鑑。 西洋の銅版画や油絵からの影響。 俳句の流行からの俳画と俳画のような可笑しな絵。 異色の浮世絵。描き方の自由と表現方法の自由。 そして人と動物の心を通わせる絵が登場する。子犬・雀・猿・猫。 63歳で亡くなるまで子犬を描いた応挙。 その弟子の蘆沢蘆雪はやんちゃな子犬を描く。 猫を愛でた歌川国芳。徳川家光の動物画への思い。 私の絵に法は無いと嘯いた仙厓の子犬。 仏教が人々の心に染み渡った時代の、動物の命の重さ。 明治時代初期の河鍋暁斎の蛙と風刺画。 西洋と日本では動物の立ち位置が異なっているし、 日本でも時代の変遷の中では同様。 それでも明治以降にも素晴らしい動物画が描かれたのは 嬉しいし、最近の“かわいい”で過去の動物作品が 注目されたことも有難いと思いました。 それ故に小さいながら多くの動物絵画が味わえたことに、感謝!
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