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新論 講談社学術文庫2793
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新論 講談社学術文庫2793

会沢正志斎(著者), 関口直佑(訳者)

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新論 講談社学術文庫2793

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2023/12/11
JAN 9784065341971

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2024/05/28

カップの半分の水を見て「半分もある!」「半分しかない!」と、意見が、その人の心理によって分かれる———きっと誰もが目にしたことがある有名な話だと思います。 会沢正志斎さんは、その例を先んじて語っていたので、歴史や世界への情報に長けるのはもちろんのこと、人にわかり易く伝える例え話...

カップの半分の水を見て「半分もある!」「半分しかない!」と、意見が、その人の心理によって分かれる———きっと誰もが目にしたことがある有名な話だと思います。 会沢正志斎さんは、その例を先んじて語っていたので、歴史や世界への情報に長けるのはもちろんのこと、人にわかり易く伝える例え話がうまいなぁと思えました。 彼の場合は、江戸の町に集まるお米の話です。 米が取れすぎて余ってしまうから、売り捌いて、外貨を稼がなくては!と躍起になる思想への忠告という旨でした。 江戸の街だけを見れば、武士も米も余りあり、始末しなくてはならないと見えますが、実はそれは「江戸に集まっているから“多く見える”」だけなのだと言うことです。 シーパワー・海洋国家の日本は、海に囲まれるがゆえに守られて来ましたが、黒船のような存在が現れたことによって、逆に、四方八方どこからでも船の水路となり、あらゆるところを警戒しなくてはいけなくなったのです。 ならば、江戸に集まる武士や米を方々に散らせ、その土地に住まわせ、実らせ、働かせ、食わせれば———余るどころか、少し足りないぐらいになるはずだと、彼は説きました。 戦国を生き抜いた、戦うための精神、身体、経験は、長い平和によって忘れられ、無用な武士や俸禄が増えすぎたのなら、それらをしっかり意味のあるものに変えていきたい———持て余して享楽的に生きるしか退屈を凌げない哀れな武士と、そんな武士たちを罵る民草の不毛な苛立ちを治め、誰もが互いの幸せのために懸命に生きるよう、励ましてくれました。 厳しいことが続いて記されているように見えますが、終始、彼は日本と世界の未来の幸福を目指して、励ましてくれているように思えます。 現代語訳の部分だけを読んでいけば、それほど多いボリュームでもないので、是非とも、激動の時代に悩み、元気を無くしてしまった人への、勇気と応援のメッセージとして、この本を手に取っていただけましたら幸いです。

Posted by ブクログ

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