商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/10/30 |
JAN | 9784101056050 |
- 書籍
- 文庫
外科室・天守物語
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外科室・天守物語
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幼くして美しい母を失った鏡花の母への思慕の情と、鳥や虫への偏愛を窺わせる『化鳥』、少年のときに家で見た二人の怪しい婦人、それは一体何だったのだろうと振り返る『霰ふる』、自分の心の秘密を譫言で言ってしまうかもしれないからと麻酔を拒んで手術を受ける伯爵夫人を描く『外科室』、当てもな...
幼くして美しい母を失った鏡花の母への思慕の情と、鳥や虫への偏愛を窺わせる『化鳥』、少年のときに家で見た二人の怪しい婦人、それは一体何だったのだろうと振り返る『霰ふる』、自分の心の秘密を譫言で言ってしまうかもしれないからと麻酔を拒んで手術を受ける伯爵夫人を描く『外科室』、当てもなくブラブラしていたときに見た光景に心を奪われていた男が、一気に怪異に見舞われる『高桟敷』、家の庭に来る雀を慈愛をもって可愛がる様子がほほえましい随筆『二三羽―十二三羽』、しかしこれもやはり鏡花、終盤不思議な出来事に出くわすこととなる。家の近くの様子を描写していたかと思いきや、大水により流された古屋敷に巣食っていた大量の蛇が白浜から鎌首を擡げている怪異の様がラストに描かれる『絵本の春』、恥ずかしめを受けお堀に身を投げた零落の工女の墓石を巡る不思議と彼女を悼む人たちの愛憐の情を描いた鏡花最晩年の作『縷紅新草』、そして傑作戯曲『天守物語』。 副詞、接続詞に使われる漢字がひらいているのはちょっと残念だがやむを得ないだろうし、難しい読み方にはルビが付されているので、読むのにそんなに苦労はしないだろうと思う。 各編ともそれほど長いものはないし、怪異幻想の作家、鏡花の入門編としては適当な作品が選択されているのではないだろうか。
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抒情的な言葉の並びがリズミカルで流麗 独り言のような語り口調が笑いを誘うところもある 赤蜻蛉の唄が印象的で刹那 怪異な物語の情景がありありと浮かぶ
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