人はなぜ老いるのか 老化の謎に挑む科学
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人はなぜ老いるのか 老化の謎に挑む科学

スー・アームストロング(著者), 簗瀬澄乃(監訳), 石井直明(監訳), 杉森裕樹(監訳)

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人はなぜ老いるのか 老化の謎に挑む科学

2,860

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大修館書店
発売年月日 2023/09/19
JAN 9784469269666

人はなぜ老いるのか

¥2,860

商品レビュー

2.5

2件のお客様レビュー

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2024/05/23

人の老化、細胞の機能低下、異常について解説する。 老化の防止に、延命は誰にとっても極めて興味のある課題であろうし、解明されていない分野でもある。つか、衛生状態とかが良くなって、大半が長期間生きていくことができるようになった、この数十年にようやく問題になってきたことかと思う。 ...

人の老化、細胞の機能低下、異常について解説する。 老化の防止に、延命は誰にとっても極めて興味のある課題であろうし、解明されていない分野でもある。つか、衛生状態とかが良くなって、大半が長期間生きていくことができるようになった、この数十年にようやく問題になってきたことかと思う。 早期老化や、認知症における遺伝子の研究も含め、環境などの要因など、これかねえ、という因子は少しずつ明らかになって来ているようだ。 まあ、個人としては長生きするのはいいことなのだろう。健康という前提で。 だが、種としてはどうなのかなあと考えるところもある。 使い捨ての体論、というのも紹介されていたが、次代に種を繋げば、生命としてはヒャッハーなんで、その後の個体の維持にエネルギーを割くことは、新しい世代のためのエネルギーが不足することになる。 極論すると、質量保存、エネルギー保存からいえば、地球が閉じた系だと仮定すると、上がなくならなければ、下は構成すらされない。 うーん。 結局、種としては衰退するのではないか。 そんな事も気になった。 真理の追求は大いに結構というか、どんどん突っ込んでいって欲しいが、社会的、生物学的、政治的に考えると、本当にそれが解決されたときに待っているものは何だろう。

Posted by ブクログ

2024/04/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

細胞を不死化するのは生物学的にコストが高い。ここにエネルギーを使うより、生殖して遺伝子を残せば、身体は使い捨てにしてもよい。野生の動物は、老化が問題になるほど長生きしない。生殖ができればいいのが生物。 ゲノムの不安定説、テロメアの短縮、エピジェネティクスなケンカ、タンパク質の恒常性の喪失、栄養関知の制御不全、ミトコンドリアの機能不全、細胞老化、幹細胞の枯渇、細胞間コミュニケーション(サイトカイン)の変化。 酸化損傷はそれだけでは老化は説明できない。 テロメラーゼ療法の結果は安定しない。 細胞は、損傷が修正不可能な場合、自死する(アポトーシス)か、老化細胞に変化する。免疫が下がると老化細胞を取り除けない。皮膚、関節、動脈硬化など加齢性疾患の部位に集中する。 老化細胞から、慢性的な炎症物質が周囲にダメージを生じさせる。 セノリティクス=細胞除去剤を使って老化細胞を除去すると長生きの可能性がある。 正常なヒト細胞には増殖の限界が約50回。ウェルナー症候群の場合、20回以下。ウェルナー症候群では免疫や神経細胞は影響を受けない。テロメラーゼがONになっていれば影響を受けない。 栄養関知ネットワークによって生死がコントロールされている。 カロリー以外は完全な飼料によって老化を防止できる。カロリー制限されたマウスの死因ははっきりしない、突然エネルギーを使い果たして死ぬ。 バイオファスフィアⅡでカロリー制限の実験をした。免疫系が弱まる。 クロニーと呼ばれる拠点で実験している。 身体を冷やすこととカロリー制限との相乗効果で褐色脂肪細胞の発生を促す。 TORという分子が関わっている可能性。今はカロリー制限ではなく食事制限と呼ばれている。高等哺乳類では寿命延長には否定的な傾向。 加齢性疾患に共通する要因のひとつは低レベルの炎症。加齢とともに腸に穴が空き微生物が血管に漏れる。 ミトコンドリアは、太古の昔に、細胞に取り込まれて消化されなかった細菌が起源といわれている。ミトコンドリアが漏れ出して炎症を起こしている。 脂肪細胞は脂肪は炎症の原因。年を取ると幹細胞が脂肪細胞になり始める。受容体が壊れて筋肉や胸腺を作る命令が受け取れなくなり、脂肪細胞が作られてしまう。 座っている時間の長さが健康状態を悪化させる危険因子。10時間座っていたら、朝ランニングをしても帳消しになる。 死別はストレスになって後追いで死にやすい。その場合死因は肺炎が多く、免疫系の故障が原因ではないか。ストレスは免疫を抑制する。 インフルエンザで高齢者の死亡が多いのは免疫系が弱いから。カロリー制限をしても免疫を抑制する。 座りっぱなしの生活から、少し運動するように変えるだけで最大の交換が得られる。スタンディングデスクなど。 老化に伴う免疫系の衰えは、加齢性疾患の重要な要因。 エピジェネチクスとは、遺伝子を超えたもの、という意味。 アミロイドを標的にした実験は安全でないか効果が無い。修道女の解剖結果は、アミロイド犯人説の大きな障害。 アルツハイマーのリスクは遺伝子が占めている。双子の実験では同じ時期に発生する傾向が強い。しかし他の報告ではそうではない可能性もある。 環境要因ではないか、という説。大気汚染でアミロイドレベルが上昇する。喫煙は重要な要素。 ソラネズマブの失敗は、投与が遅かったからではないか。アミロイドβの蓄積は症状がでる何十年も前から始まっている。 メトホルミンは糖尿病以外でも効果がある。カロリー制限と同じように酸化損傷や炎症を抑える可能性がある。 老化の研究を臨床に役立たせるには大きな壁がある。老化そのものが病気ではなく、介入の理由にはならない。

Posted by ブクログ

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