商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2023/08/10 |
JAN | 9784480017802 |
- 書籍
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関東大震災と民衆犯罪
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関東大震災と民衆犯罪
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
2024年9月読了。 かねてから関心もあり類書も読み「福田村事件」も観たこともあり、細かい事実記載が割に多いにも関わらず300ページを3日で読み切った。なかなか読ませる内容だった。 「軍・官・民が一体となったエスノサイド」という章があるとおり、関東大震災の罹災下に関東地方各地...
2024年9月読了。 かねてから関心もあり類書も読み「福田村事件」も観たこともあり、細かい事実記載が割に多いにも関わらず300ページを3日で読み切った。なかなか読ませる内容だった。 「軍・官・民が一体となったエスノサイド」という章があるとおり、関東大震災の罹災下に関東地方各地で起きた事件は、軍官民がそれぞれ「片棒を担ぎながら」起こしたものであって、単純・単一な「民衆」や「加害者」が起こしたものではない。 48ページ 関東戒厳司令部が出した「注意」を与えたビラの文章。これが酷い。「事件を起こしたヤツは悪いんだけど被災して大変だから目立って悪いことをしたヤツ以外はお咎めなし、警察に反抗したヤツはタダじゃおかねえ、でも今は地震の影響で人心が不安定だからあとで捕まえるね」みたいな内容。とにかく国家権力の安寧だけが大事な様子が心底酷い。 72ページ 「自警団の中核には消防組があり、特別な場合を除いて虐殺事件の主犯もまた消防組であった」 →警察の公式下部組織であった消防組が多くの事件において主導的な役割を果たした。 81ページ 「これほどにも地縁を大切にする姿勢が、「暴徒」である朝鮮人の殲滅と地続きになっていた」 →「ヨソモノに対する猛烈な排外感情」と次ページに続くが、こういうメンタリティが今は一切ないとは誰も思わないだろう。割と「地縁的な何か」に背を向けて生きてきた身としては空寒い気がする。 92ページ 警察が組織として公式に地域の消防組に対して「警察的価値観に基づく社会認識、法意識」を指導していたことの一例として当時の千葉県警察部長の訓示を紹介している。曰く「消防は任侠の精神を必要」とする、自己中心主義を排して階級闘争を鎮圧する、消防組はそのための民衆警察たれ、とのこと。
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関東大震災に起きた、史上最悪の惨事、朝鮮人大虐殺について、詳細なデータで分析している。ヘイトクライムは日本でも世界でも増えている。一石を投じる意味でも貴重な本である。
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