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ウォーターリリー
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ウォーターリリー

川野里子(著者)

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ウォーターリリー

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 短歌研究社
発売年月日 2023/08/04
JAN 9784862727428

ウォーターリリー

¥2,420

商品レビュー

5

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2024/03/12

連作で読むと凄みがある歌集です。 ベトナム、水俣、広島、辺野古、上九一色村から、モネの睡蓮まで。 外国に来ているような臨場感を覚えました。 ウォーターリリーは睡蓮ですが呪文のような気がしました。 <夕焼けは返り血を浴び染まりゆく水田と水田と水田が光る> <あの川に兄...

連作で読むと凄みがある歌集です。 ベトナム、水俣、広島、辺野古、上九一色村から、モネの睡蓮まで。 外国に来ているような臨場感を覚えました。 ウォーターリリーは睡蓮ですが呪文のような気がしました。 <夕焼けは返り血を浴び染まりゆく水田と水田と水田が光る> <あの川に兄が浮かんでこの沼に父が浮かんで 睡蓮咲いた> <北が南を南が北を西が東を 殺せど殺せど人間なりき> <ウォーターリリーこんなところにウォーターリリーあんな高みにあなたは咲いて> <母逝きてみづうみいちまい残りたりてのひらに胸にみづうみ宿る> <ウォーターリリーこんなしづかな戦場がここにウォーターリリーの姿に咲いて> <可燃物にあらぬるちちはは焼きたりき燃やし尽くせず睡蓮が咲く> <モネの描きし睡蓮はたかが光なりウォーターリリーあなたは誰だ>

Posted by ブクログ

2024/01/29

前作の「歓待」で読売文学賞を受賞した後、新しい境地を開いた川野里子の第八歌集である。作者はそれを「短歌とは耳を澄ますこと」「語り手であるより聞き手でありたい」と表現している。歌集では、「ウォーターリリー」という言葉が繰り返され、どこか遠くから聞こえてくる声を書きとめたような短歌に...

前作の「歓待」で読売文学賞を受賞した後、新しい境地を開いた川野里子の第八歌集である。作者はそれを「短歌とは耳を澄ますこと」「語り手であるより聞き手でありたい」と表現している。歌集では、「ウォーターリリー」という言葉が繰り返され、どこか遠くから聞こえてくる声を書きとめたような短歌に不思議な浮遊感を覚える。「ウォーターリリーここに生まれてウォーターリリーここがどこだかまだわからない」「あの川に兄が浮かんでこの沼に父が浮かんで 睡蓮咲いた」「ウォーターリリーこんなところにウォーターリリーあんな高みにあなたは咲いて」「いきのびてわたしもわたしも布袋草ふつくりと泥の大河に浮かぶ」「ウォーターリリーこころに浮かべウォーターリリー光にふれてわたしは揺れる」

Posted by ブクログ

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