商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2023/07/29 |
JAN | 9784198656157 |
- 書籍
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救い難き人
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救い難き人
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商品レビュー
4.3
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清濁ぐちゃぐちゃに併せ呑み下す登場人物たちを悪人と断罪するには躊躇してしまう、人間力に溢れたアウトローたちの物語。明るい小説ではないが、軽妙な関西弁や時系列の分かりやすさもあって読みやすい。筆者の経歴から、遠からずこの本に近い現実を見てきたのだろう。石橋を叩くだけの平民である私は...
清濁ぐちゃぐちゃに併せ呑み下す登場人物たちを悪人と断罪するには躊躇してしまう、人間力に溢れたアウトローたちの物語。明るい小説ではないが、軽妙な関西弁や時系列の分かりやすさもあって読みやすい。筆者の経歴から、遠からずこの本に近い現実を見てきたのだろう。石橋を叩くだけの平民である私は敬服するしかない。
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救い難き人。 どうしようもない悪人ばかり登場するので、いい加減こちらの感性が麻痺してくるような感覚に陥ってしまう。 パチンコ屋を舞台に在日二世のマンスは、母の「恨の気持ち」を情動にして、中学の先輩で悪人のノブと共に父親への長い復讐を画策する。 次々と金に固執する男達の悪事の連続に...
救い難き人。 どうしようもない悪人ばかり登場するので、いい加減こちらの感性が麻痺してくるような感覚に陥ってしまう。 パチンコ屋を舞台に在日二世のマンスは、母の「恨の気持ち」を情動にして、中学の先輩で悪人のノブと共に父親への長い復讐を画策する。 次々と金に固執する男達の悪事の連続に、464ページの長さも気にならなかった。
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私見だが、著者の生き様が亡くなった西村賢太さんと被る赤松利市さん。波乱万丈な人生を歩んでおられる点や、内容の不気味さやリアリティなんかも同じ匂いがする。私の中では少し違和感を感じながら田中慎弥さんもここにカテゴライズする。となると利市さんも芥川賞受賞か?なんて妄想を。 「らんち...
私見だが、著者の生き様が亡くなった西村賢太さんと被る赤松利市さん。波乱万丈な人生を歩んでおられる点や、内容の不気味さやリアリティなんかも同じ匂いがする。私の中では少し違和感を感じながら田中慎弥さんもここにカテゴライズする。となると利市さんも芥川賞受賞か?なんて妄想を。 「らんちう」「純子」に続いて3作目の読了となった今作。主人公の在日二世の朴マンスは妾の子。差別を受けながら成長する。父親は姫路でパチンコ屋を経営して莫大な富を得ている。そこに中学生の時の先輩、井尻ことノブさんという貧困地域の黒里団地出身の男が近寄る。父親のヨンスクは母親をセックス最中に誤って殺してしまう。母の愛だけを頼りに生きていたマンスは父親を憎む。復讐の鬼と化す。 一方金がすべてと言い切り深慮遠謀に長けたノブさんは、ヨンスクのパチンコ屋を全て自分のものにしようと自分のシナリオ通りにマンスを操る。ノブさんの武器は情報と人脈。金さえ積めば汚れ仕事もなんでも引き受ける。だが後半はマンスが暴走し始めその計画に手を入れる。 いろいろ経験しているから描けるんだろうなと思わせる内容。金と欲に振り回される壮絶な物語。全てノブさんの計画通りだったのか。前半はマンスのサクセスストーリーのようだが、ヨンスクが全権をマンスに預けてからはマンスのエゴが爆発。最終的に復讐のゴールを見失ってしまっていたように思える。最後はひょっとしてマンスが…とかも想像する。読み応え十分。 ノブさん→「金がすべてやと思うてるワイや。マンちゃんの気持ちは痛いほど分かるわ。そやけどな、マンちゃん。金に取り憑かれたらアカンねん」
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