信じる者は破壊せよ 古代ギリシア・ローマ、キリスト教が招いた暗黒の世紀

キャスリーン・ニクシー(著者), 松宮克昌(訳者)

• 販売会社／発売会社: みすず書房
• 発売年月日: 2023/07/20
• JAN: 9784622096207

商品レビュー

2024/01/04

今まで読んだ〝キリスト教〟の本の中でも、ダークな部分だけに絞った本でした。
異教と言われたもの、異端と言われたもの、拷問習わし主導者、みな現代のキリスト教とは違う。
この環境になるまでには色々あった、色々の中でもドスグロで理性を欠いている部分がピックアップされていて読んでいるのが辛い部分があった。
そうとはいえ、タイトルと聖書の一節から始まるこの本は大変貴重な真実であると思う。

2023/09/24

キリスト教の黒歴史部分に焦点を当てたおそらく西洋世界の一部の反省文と思われる。ローマ・ギリシアの文献の9割が失われ、ニケの像のように多くの絵画や彫刻が破壊された。
その契機はコンスタンティヌス1世のキリスト教への改宗（動機は不明）であり、キリスト教（一神教）の持つ不寛容さがギリシア哲学を含めたほかの信念の迫害につながった。

2023/08/16

・十八世紀の啓蒙作家ヴォルテールの言葉とされる「私はあなたの主張には反対だが、そう主張するあなたの権利は命をかけて守る」は民主主義、言論の自由を象徴する言葉であるが、人類はこの時代からおよそ三百年に限ってみても科学技術面では驚異的な進歩を遂げた一方で、政治信条、信仰や思想の違いに対する現代人のひどい不寛容さを見る限り、人類は精神面でどれだけ進歩し、成長したのだろうかと問わずにはいられない。