商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2023/07/06 |
JAN | 9784309419763 |
- 書籍
- 文庫
砂の果実
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砂の果実
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
坂本龍一、高橋幸宏とも縁深い作詞家による自叙伝。80年代の歌謡曲にどっぷり浸かっていた身には、懐かしいやら、びっくりするやら。
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「花の82年組」のひとりでもあり、横並びのアイドルに収まらなかった中森明菜の40年を巡る本を巡っています。西﨑伸彦「中森明菜 消えた歌姫」、島田雄三「オマージュ〈賛歌〉 to 中森明菜」…デビュー40周年の関連本それぞれになにか物足りなさを感じてこの文庫にたどり着きました。「少女...
「花の82年組」のひとりでもあり、横並びのアイドルに収まらなかった中森明菜の40年を巡る本を巡っています。西﨑伸彦「中森明菜 消えた歌姫」、島田雄三「オマージュ〈賛歌〉 to 中森明菜」…デビュー40周年の関連本それぞれになにか物足りなさを感じてこの文庫にたどり着きました。「少女A」は中森明菜をブレイクさせただけでなく作詞家 売野雅勇の人生も変えました。「歌は世に連れ、世は歌に連れ」みたいな定型句がありますが、歌謡曲とJ-POPの狭間の季節に、社会がヒットソングに求めたものを思い出させてくれる本です。なので、出てくるガジェットが水色と黄色のフォルクスワーゲンとかボディがアイボリーで屋根がブルーグレーのメルセデスのクーペとか打ち合わせの喫茶店、レストランの固有名詞が、いちいち80年代の空気感を思い出させてくれます。今、世界のミレニアム世代が日本のシティポップスに注目しているのは高度に成熟した資本主義都市東京の生み出したカルチャーにノスタルジーを感じているからだ、という説を聞いた事があります。世界が竹内まりあの先に中森明菜を見つけるかどうかはわかりませんが、確かに高度経済成長のエピローグとして、あるいは失われた20年のプロローグとしての時代に要請されたアイコンが中森明菜であり、売野雅勇の言葉だったのかもしれません。この本の中で作者が赤裸々に愛を語る矢沢永吉のエピソードが印象的で、山下達郎と矢沢永吉の違いが、竹内まりあと中森明菜の違いである気がします。その違いを作ったのはこの作詞家の言葉だったとすれば、歌姫の宣託のライターとして彼もまた時代に召還された人なのかもしれません。
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歌番組にキラキラした曲がかかるとき、この人の名前が冒頭に白抜きのクレジットで表示されるのを何度見たことだろう。1970年代後半から現在にかけて、どのような思いでどのような場所でそれぞれの曲の歌詞を書いたのか、率直な文体で語られる。交友関係はかなり派手で、バブルの香りも濃厚に漂う...
歌番組にキラキラした曲がかかるとき、この人の名前が冒頭に白抜きのクレジットで表示されるのを何度見たことだろう。1970年代後半から現在にかけて、どのような思いでどのような場所でそれぞれの曲の歌詞を書いたのか、率直な文体で語られる。交友関係はかなり派手で、バブルの香りも濃厚に漂うけれど、「もう、みんな、ぼくのことなんて、忘れちゃってるよ」とつぶやくロンバケ前夜の大滝詠一さんや、ちょっと触れたらなにかが壊れてしまいそうな井上大輔・洋子夫妻との勝浦旅行のエピソードには、バブルにのりきれなかった人たちの心細さや繊細さを感じてしまう。
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