商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | イーストプレス |
発売年月日 | 2023/04/22 |
JAN | 9784781620664 |
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尼人
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阪神尼崎近くある出屋敷駅出身の芸術家が書くエッセイ。 自分も兵庫なので、阪尼のあたりはある程度知っている。北から南にかけて阪急、JR、阪神と沿線が間隔を空けて並ぶが、とりわけ阪神沿線は異質。人との距離感が近く、バンカラで治安の悪そうな雰囲気は今でこそ多少大人しくなってきたが、そ...
阪神尼崎近くある出屋敷駅出身の芸術家が書くエッセイ。 自分も兵庫なので、阪尼のあたりはある程度知っている。北から南にかけて阪急、JR、阪神と沿線が間隔を空けて並ぶが、とりわけ阪神沿線は異質。人との距離感が近く、バンカラで治安の悪そうな雰囲気は今でこそ多少大人しくなってきたが、それでも十分残っている。 著者は、芸術に縁のないこの出屋敷で育ったが、とあるきっかけで芸術家をこころざした。スナックを営む母には、「芸術家って要は詐欺やん」と言われる。 これについて、「確かにそうかも、紙に絵を描いただけのものをうん十万、うん百万でうるんだから」と納得気な著者のニュートラルな感じが面白い。 阪尼での子供時代の生活が主な内容なのだが、 いろいろとぶっ飛んでて面白い。それにアホだけど嫌じゃない奴らが多く登場してくる。 芸術の名門、東京藝大に入学する著者だが、 寝る間を惜しんで自分に厳しく、めっちゃ努力した。とかじゃなく、 予備校いきながら、やれる範囲でバイトしながらそこそこ絵を勉強して、23歳で入りました。っていう感じも、プレッシャーを感じず読めるので気が楽だった。
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尼崎出身の現代アーティストによる半生記。著者の半生もおもしろかったし、尼崎という土地をエンタメ感覚で知ることができた。 文章に余白というか行間のようなものがなく、みっちりしている。それも尼崎らしさなのか。それとも著者らしさなのか。尼崎におけるダウンタウン評価の話が印象的だった。...
尼崎出身の現代アーティストによる半生記。著者の半生もおもしろかったし、尼崎という土地をエンタメ感覚で知ることができた。 文章に余白というか行間のようなものがなく、みっちりしている。それも尼崎らしさなのか。それとも著者らしさなのか。尼崎におけるダウンタウン評価の話が印象的だった。うっすらとしか知らないChim↑Pomや会田誠氏周辺の話が読めたのもよかった。 しかし一番インパクトがあるのは家族の話だろう。特におかん絡みの話にかなりのインパクトがある。現代アーティストを詐欺師呼ばわりするのはいいセンスしてるし、わかる気もする。サンタが死んでその跡目争いでドンパチしてるとか、おかんの嘘は尼崎テイストがあってクリエイティブですごい。尼崎という土地のスナックでしか養われない話術なのではないか。その後に出て来たマンコしりとりのエピソードで30秒くらい笑いが止まらなかった。 昭和に生まれて90年代サブカルの空気を少しばかり吸った人間としては、どんどん漂白されていく現代社会に少々疑問を持っている。しかし同時に日本ではスラム化が進むのではないか?という側面もある。それは表層の漂白と内面のスラム化なのかもしれない。そういう時代の側面の表現者として、著者の表現に興味を持った。機会があれば著者の展示も見てみたい。
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