商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 百万年書房 |
発売年月日 | 2023/05/31 |
JAN | 9784910053400 |
- 書籍
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いかれた慕情
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いかれた慕情
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商品レビュー
4.6
11件のお客様レビュー
七成ちゃんに借りた本。「ここで唐揚げ弁当食べないでください」「これが生活なのかしらん」に続いて3冊目のおすすめ。「コーヒーにミルクを入れるような愛」を読んだときに彼女に読んでほしいなと思ってそれを伝えたらお返しにと教えてくれた。 最初に収録されている「ひかりのうた」で、好きなも...
七成ちゃんに借りた本。「ここで唐揚げ弁当食べないでください」「これが生活なのかしらん」に続いて3冊目のおすすめ。「コーヒーにミルクを入れるような愛」を読んだときに彼女に読んでほしいなと思ってそれを伝えたらお返しにと教えてくれた。 最初に収録されている「ひかりのうた」で、好きなものがこんなにも出てくることにとても驚いた。マツリスタジオのバンドTシャツを着ていることを嬉しそうに言う兄、「若者のすべて」を演奏する結婚式。叔母の死が共に示されていることもよかった。1文目「美弥子おばさんが死んだ。」を回収するのではなく、それを経て別の地平にたどり着くのが僕のマリさんのエッセイなのかなと1冊読んで思ってみたりした。 2作目の「忘れる練習」でも、「夢追い虫」の歌詞の引用から入り、そこから空に映る飛行機の旋回みたいに彼女の人生の色々なところを回りながら、結婚後の今の地平へと着地する。 今こうして1つ目のエッセイを振り返ると、僕のマリさんがどういう方か分からぬまま読んだ手触りが残っていて、この1冊を通してたくさんのことを知れた喜びを実感している。学生時代のことから結婚した後の夫との生活が描かれておりこんなにと思うほど幅が広い。 「笛を落とす」「確かに恋だった」の2つがほんとうに好きで、今までに読んだエッセイで好きなものはと問われたらこれらを挙げる。 「笛を落とす」は学生時代に吹奏楽部だったときのことを書いており、「祝福」くらいから小説の読み方にシフトしたほうがいいと思って読み方を変えていたのが、この作品で正に1つの到達に及んだ。 終わり方がとにかくいい。だってこの先は書かなくてもいやというほど分かるし、いってしまえば書き手にとっても読み手にとっても重荷になる部分だと思うから。僕のマリさんがフルートを弾くのを止めて書く仕事を選んでいるという今に、それら文中には決して書かれていないけれど、僕は立ち戻った。 「確かに恋だった」は今まで読んだ恋愛のエッセイの中で断トツによかった。比較するのはほんとうに違うけれど、「花束みたいな恋をした」がこうだったらよかったのにと思った。2人が一緒にいる場面の描き方が愛おしい。終わってしまった1つの恋の、宝物のようにかがやく部分があますことなく描かれている。自分ではない誰かの出来事なのに、悔しくて愛おしくて大切で涙を流した。
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以前文学フリマで頒布されていた私家版エッセイに書き下ろしを加えた一冊。 深夜のマクドナルドで小説を書く時間。映画を流しながら眠りについたこと。僕のマリさんにとって、孤独が豊かなものだいうことが伝わってくる。水色の器に入って渡される、おもちゃみたいな卵がのったチリコンカンや、真夏の...
以前文学フリマで頒布されていた私家版エッセイに書き下ろしを加えた一冊。 深夜のマクドナルドで小説を書く時間。映画を流しながら眠りについたこと。僕のマリさんにとって、孤独が豊かなものだいうことが伝わってくる。水色の器に入って渡される、おもちゃみたいな卵がのったチリコンカンや、真夏のバーガーキングで注文するフロートや、深夜のマクドナルドで飲む紅茶など、別に食べ物エッセイというわけでもないのに、食べ物の描写にばかり目がいってしまった。 好きな文章 「ひとりで黙々と食べるチリコンカンと壁にうつる無音映画。ぼんやりと過ごしながらも、こういうさみしくて豊かな瞬間のことを一生忘れないような気がすると思っていた。」
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※このレビューにはネタバレを含みます
文章の感じがとても好き 真顔になった彼女に 書く方になった、本を と言いかけてもう ちょっと待って と目の前の顔が歪む 両手で口元を押さえる彼女の、目が潤んでる 本当に?と聞かれるころにはわたしもあわてて目元をハンカチで押さえていた
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