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仮面物語 或は鏡の王国の記
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仮面物語 或は鏡の王国の記

山尾悠子(著者)

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仮面物語 或は鏡の王国の記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 2023/05/26
JAN 9784336075031

仮面物語

¥3,960

商品レビュー

3.6

5件のお客様レビュー

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2024/07/15

だいすきな山尾悠子さんの長編小説、よかった… モチーフ同士の緻密で複雑な関連性はやっぱり澁澤龍彦の小説に通じている、気が、する。タイトルにもついている、鏡というモチーフから無意識的に頭に生じる、もうひとりの自分、自分ではない自分という存在、そしてそこから派生して対という概念へと連...

だいすきな山尾悠子さんの長編小説、よかった… モチーフ同士の緻密で複雑な関連性はやっぱり澁澤龍彦の小説に通じている、気が、する。タイトルにもついている、鏡というモチーフから無意識的に頭に生じる、もうひとりの自分、自分ではない自分という存在、そしてそこから派生して対という概念へと連想が膨らんでいく。おもしろかった…また読みたい。 石蚤という名を与えられた結晶の虫、鏡や仮面と繋がるような幾何学的な造形で、かなり好みだった。あと私は不破が好きだったな。この小説に関連している短編が『歪み真珠』という1冊に入っていたと記憶しているので、また近いうちに読み返そうと思う。

Posted by ブクログ

2024/02/24

彫像師の善助は、実は人のたましいの顔を彫ることができる〈影盗み〉である。新たに訪れた鏡市で仕事を始めた善助だが、いつしか街の中心にある二重館の人びとの思惑に絡め取られていく。たましいの顔を彫られまいとして仮面をつけた者たちと、ゴオレムや自動人形、虎が行き交う迷宮のような街を襲うカ...

彫像師の善助は、実は人のたましいの顔を彫ることができる〈影盗み〉である。新たに訪れた鏡市で仕事を始めた善助だが、いつしか街の中心にある二重館の人びとの思惑に絡め取られていく。たましいの顔を彫られまいとして仮面をつけた者たちと、ゴオレムや自動人形、虎が行き交う迷宮のような街を襲うカタストロフとは。長らく封印されてきた、著者最初の長篇小説。 ずっと読みたかった作品。埴谷雄高の『死霊』を思わせる堂々とした佇まいで復刊してくれたのが嬉しい。 〈影盗み〉とは何者かという謎と、事故によって体を作り替えられた聖夜のアイデンティティをめぐるゴシック小説である。善助は〈影盗み〉であることを隠しているのに、葬儀用の彫像をつくる仕事に就いているのがまぬけでユーモラスな主人公だ(『歪み真珠』収録の「影盗みの話」で作者自らツッコんでいる)。 善助が自分のたましいの顔を彫った像はゴオレムとなって動きだし、ドッペルゲンガーの善助を憎む。肉体から離れてゴオレムや自動人形のなかに入り込んでしまう善助だが、彼らを操ることはできない。だとすると、ゴオレムと自動人形にもたましいはあるのか。 アマデウスと聖夜を中心にくり広げられる自動人形と人間の相違をめぐる問いは、出力される世界観は全く違うものの、長野まゆみの初期作を思いださせる。アマデウスの政治パンフを書くオートマタという設定が面白い。作中で文章を書くのが狂死する詩人とアマデウスなのを考えると、狂わないのがアマデウスの"人形性"と言えるのだろうか。 でも、そうした哲学的な内容以上に、ステンドグラスに囲まれた巨大な水盤に沈んだたましいの顔だとか、金の鱗を隠しながら闇夜に暗躍する自動人形だとかの硬質で絢爛な銅版画的イメージを楽しんだ。晦渋で読みづらいというほどではなかったけれど、今の山尾さんに比べると確かに角ばっていて少し重たい文体ではある。ポーやマイリンクを参照しながらも、独特なイメージの連なりで群像劇を描いているのがやはり「夢の棲む街」の作者だ。 設定を語るだけで終わってしまったようなところもあり、若書きとして復刊を拒んできた著者の気持ちもわかる気はする。けれど、街を浸していた水の栓が抜かれ、全てが二重館の水盤に還っていき、善助が生まれ直すクライマックスは、山尾作品らしいカタストロフ(漏斗状の街!)と明解な再生が同時に描かれていて新鮮である。たましいの顔を芸術作品と見なせば、人びとはそれを直視し賞賛するという皮肉もよい。最後まで謎だったのは不破だけど、彼はかつて善助が作って忘れてしまったゴオレムだったりするのかな。

Posted by ブクログ

2023/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

室内のシーンが多いのに建物の構造がよくわからないのでイメージしにくい。 善助の魂が別の体に入っている=善助の体は死んだ?と思っていたのに終盤でいきなり元の体に戻っている? 消化しきれてないのでもう一度読んでみる。 しかし眠くなるんだこの本。

Posted by ブクログ

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