商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/05/23 |
JAN | 9784150315504 |
- 書籍
- 文庫
急行霧島
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急行霧島
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
昭和36年の急行霧島を舞台にした群像劇。 鹿児島から東京まで26時間の旅。今なら飛行機であっという間の距離だが、当時はとてつもなく遠い距離だったことを改めて思う。 しかも登場人物の一部は座席で26時間を過ごす。つまり横にはなれない。もっと言えば座席に座れない客もいて、そういう人...
昭和36年の急行霧島を舞台にした群像劇。 鹿児島から東京まで26時間の旅。今なら飛行機であっという間の距離だが、当時はとてつもなく遠い距離だったことを改めて思う。 しかも登場人物の一部は座席で26時間を過ごす。つまり横にはなれない。もっと言えば座席に座れない客もいて、そういう人は通路に新聞紙を敷いて座っている。時間がかかるだけでなくて過酷な旅だなと思う。 そんな急行霧島を舞台に 生き別れになった父親と会うために上京する少女・美里、お嬢様然としているのに二号車に乗っている靖子、傷害犯を追っている鹿児島県警の刑事二人、伝説のスリを追う鉄道公安室の公安職員二人とそのスリ、そして宝石泥棒という面々の物語が描かれる。 それぞれの物語が絡み合うのかと思っていたので少し肩透かしなような。。 それほど大きな山があるわけではないものの、上手くまとめてくれて楽しめた。 傷害犯の話は少し切なくなったし、スリの話も小気味良さとほろ苦さがあって良かった。 一番気になっていた靖子の話は思っていたのと違っていた。そして美里の父親は東京駅に迎えに来てくれているのか。 読み終えてみれば、内容紹介通り『人情系鉄道ミステリ』だった。アッサリしていたが軽快なテンポで読めた 。今の忙しい状況にはちょうどいいボリュームの読書となった。
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昭和36年、鹿児島ー東京間を結ぶ急行霧島。千五百キロをおよそ二十六時間半で走り、そこに居合わせた生き別れた父親に会いに行く美里と訳ありのお嬢様の靖子、傷害犯とそれを追う刑事、伝説のスリ師と鉄道公安職員、様々な思惑がノンストップで描かれます。 1日のうちに色々起きるので、給仕がぼ...
昭和36年、鹿児島ー東京間を結ぶ急行霧島。千五百キロをおよそ二十六時間半で走り、そこに居合わせた生き別れた父親に会いに行く美里と訳ありのお嬢様の靖子、傷害犯とそれを追う刑事、伝説のスリ師と鉄道公安職員、様々な思惑がノンストップで描かれます。 1日のうちに色々起きるので、給仕がぼやいた「厄日かな」という言葉がしっくりきました。 時代ではありますが、今の世の中で椅子に座って26時間は流石に無理だな、と思ってしまいました。 大きな事件が起きたり、名探偵が登場したりといった話ではないですが、中盤から一気に色々起きるので飽きずに読めました。
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昭和レトロなタイトルに惹かれ、あらすじからオリエント急行殺人事件チックな内容を想像して購入。どうでも良いことだが本のサイズが微妙に大きく、文庫用のブックバーに収まらない。 数十年前、ブルートレインと呼ばれた寝台特急に乗って東京から熊本に行った。その列車も急行霧島と同じく東京と(西...
昭和レトロなタイトルに惹かれ、あらすじからオリエント急行殺人事件チックな内容を想像して購入。どうでも良いことだが本のサイズが微妙に大きく、文庫用のブックバーに収まらない。 数十年前、ブルートレインと呼ばれた寝台特急に乗って東京から熊本に行った。その列車も急行霧島と同じく東京と(西)鹿児島を結んでいた。車中で日の出を迎えてから降車まで5時間程、結構退屈した覚えがある。作品では鹿児島から東京まで26時間半を要す。その間、寝台で横になれれば良いが、座席または床に新聞引いて過ごすなど、荒行と呼ぶべき体験だ。 同一区間を空路はさておき、新幹線を乗り継げば7時間足らずで移動する現代では、犯人も警察も時間に追われてさぞかし忙しいことだろう。 事件解決後から東京駅ホームのエンディングに至ってはそう来たかという感じ。 列車一編成を町にたとえた表現があったが、成る程言い得て妙である。それぞれの事情を持つ人々が一千人規模で移動するなど、想像すると不思議な光景である。 あれこれと一人思いを巡らせながら読ませていただいた。
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