ウィザーズ・ブレインⅨ(下) 破滅の星 電撃文庫

三枝零一(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2023/05/10
• JAN: 9784049143997

商品レビュー

2023/07/28

ベルリン、マサチューセッツは崩壊し、ベルリンの跡地に塔が生まれる。
ロンドン、シンガポール、モスクワ、ニューデリーの４つのシティと賢人会議。
雲除去システムをめぐり人類と魔法士のどちらが生き残るか。
シティ側のマサチューセッツに賢人会議を誘導し島を落とす計画。
助からない3000万を犠牲に。
計画を知った世界再生機構。ヘイズとファンメイが絶望的な状況に飛び出し、クレアやエドら皆が加わって奇跡的にマサチューセッツも賢人会議の魔法士も助かる。
それでも最後の塔をめぐる最終決戦に向かうシティと賢人会議。
天樹錬がただ一人で戦場に立ち、シティは元モスクワ自治軍のイルが、賢人会議はセラとディーが止める。
決戦がなされず、何も解決はしていないが、わずかに希望の光が灯される。
天樹錬は世界に向けて雲除去システムの破壊を宣言、南極衛星にいるサクラは迎え撃つ決意を固める。

2023/05/19

9年ぶりからの2ヶ月連続刊行は心の整理が追いつかないんよ（笑）

中巻の惨状からどうなるかと戦々恐々としていましたが、本当に予想外の着地点に到達したなと。
今作も読むのが大変(褒め言葉)

残虐非道を甘んじて受け止め、冷静にことを進めるシティ
ブレーンを無くし、進退極まる賢人会議
人間と魔法士の共存を諦めない機構
三者三様の思惑に突破口はあるのか。

個人的に読んでる中で強く想起したのは、今は亡きアニルの言葉
「最終的に人を動かすのは、理を超えたその先にあるもの」
彼は本当に良い言葉と行動を残してくれたと、しみじみと感じた。

次がラストエピソードのようで、一体どんな結末になるのか楽しみ。
現状、いわゆるハッピーエンドにはどうやったってたどり着けない気がするので、ここからどう物語が進むのかが待ち遠しい。