商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2023/05/08 |
JAN | 9784022519047 |
- 書籍
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白鶴亮翅
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白鶴亮翅
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商品レビュー
4
17件のお客様レビュー
不思議な印象の小説だった。 手に取ったのは、タイトルが目についたから。なんと白鶴亮翅といえば太極拳の技の一つ。なんで、そんなタイトルなのか。1年ほど前から太極拳を始めた者としては、見過ごせないではないか! 主人公はベルリンで翻訳家として一人暮らしをする女性、美砂。隣人の男性Mさ...
不思議な印象の小説だった。 手に取ったのは、タイトルが目についたから。なんと白鶴亮翅といえば太極拳の技の一つ。なんで、そんなタイトルなのか。1年ほど前から太極拳を始めた者としては、見過ごせないではないか! 主人公はベルリンで翻訳家として一人暮らしをする女性、美砂。隣人の男性Mさんに誘われて太極拳の学校へ通い始めた美砂は、そこでさまざまルーツをもつ女性たちと知り合いになり、関係性を深めていく。 関係性を深める、と書いたが、べったりとしたものではない。むしろ淡く、時にすれ違うような関係性である。彼女たちと交流するなかで、美砂は自らについても顧みていく。 登場する女性は、皆、何らかの過去がある。直接的には描かれなくても、何か理由があって今の暮らしをしていることが仄めかされる。太極拳の白鶴亮翅は、文字通り、鶴が羽ばたく様をかたどった技であり、全身に力がみなぎっている。その技のように、皆それぞれに強く生きている。 つかみどころのない小説ではあると思う。でも、なぜか心に残る。
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ドイツ語が流暢で、ベルリンに暮らしたらこんな感じなのかな~と楽しみながら読了。ドラマティックな展開はないが、表現を1行ずつ噛みしめて、太極拳のモーションに思いをはせる。
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夫についてドイツに来たのに、夫が帰国した後も1人で住み続けている主人公。 隣の住むMさんは、東プロセイン出身のおじいさんで、彼と戦争の話をするようになり、国や民族について考えるようになる。 一緒に行くようになった太極拳の一つの技が「白鶴亮翅」。 太極拳を通じて、様々な国の人達と交...
夫についてドイツに来たのに、夫が帰国した後も1人で住み続けている主人公。 隣の住むMさんは、東プロセイン出身のおじいさんで、彼と戦争の話をするようになり、国や民族について考えるようになる。 一緒に行くようになった太極拳の一つの技が「白鶴亮翅」。 太極拳を通じて、様々な国の人達と交流するようになる。 ーーーーーーーーーーーー 大きな事件が起きるわけでは無く、エッセイのように日々の生活が淡々と描かれていて、読んでいくうちに引き込まれてしまう本。 隣人のMさんとの戦争の話は、東ヨーロッパの人たち、特に出身がポーランドやロシアでドイツに住む人たちの苦労や、東プロセインについて知ることができた。 出身地ってなんだろう?国って?民族って? どこの国の人かなんて、本来は気にしなくて良いことなのでは?と感じた。 太極拳で知り合う人達も、元々の友達も、出身は様々だ。 両親の1人が南米出身だったり、フィリピン人だけどイギリスに留学してエリートな英語を話す人だったり、ロシア人でドイツ人の夫が亡くなった未亡人だったり、色んな人が色んな考え方で生きていて、読んでいて面白い。 森の入り口のお菓子のような家でお菓子を焼いている人の所へ行くシーンは、まるでヘンゼルとグレーテルを思わせるようなドキドキ感。 家の家電と日本語(関西弁)で話すシーンは、おとぎの国の話ようで、でもコミカルだ。 ヨーロッパでアジア人として暮らすと、こんな感じなのかなぁと想像しながら、楽しく読んだ。
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