もりのおへやをしょうかいします 講談社の創作絵本

茂市久美子

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2023/03/30
• JAN: 9784065311110

商品レビュー

2024/11/30

『もりのおへやをしょうかいします』
茂市久美子　作
しもかわら　ゆみ　絵

表紙絵からも思わず微笑みたくなるような、優しい雰囲気が漂っていますね〜。(*´ω｀*)
木の根元の扉から、ひょっこりとのぞくうさぎさん。思わず触れたくなるような、柔らかなタッチで描かれた毛や、輝く瞳が生き生きと感じられますね。春の暖かな陽射しも感じられそうです。

やまの大きな木のなかに住むうさぎは、ひとのおせわをするのが大好き。春になって森が若葉におおわれると、おうちの前に看板を出しました。
　「もりのおへやをしょうかいします。
　おへやのことならおまかせください。」

まもなく、2羽のおおこのはずくがやってきます。
“「たまごを　うんで、ひなを　そだてられる、よい　ところが　あったら　おしえてくれませんか」“
“「おおこのはずくさん、よく　きてくれました」“
うさぎはにっこりして答えます。
“「おまかせください。ぴったりの　おへやが　ありますよ」“
とても丁寧な“ことば“のやりとりですね。

“うさぎは　2わの　おおこのはずくを、
しろい　はなが　さきはじめた　りんごの　きに
あんないしました。“
描写もとても丁寧です。
そして、添えられてる絵が（透明水彩画でしょうか）本当に素晴らしいです。生き物の毛や羽毛の質感まで伝わってくるようで、そして植物も枝や葉や花までも、とても丁寧に描かれています。

季節は移ろい、秋になり、やまねがやってきます。
やまねさんには、山葡萄の実がたくさんなっている木の穴を。そして、北風が吹き雪がちらつく頃になると、熊さんに冬の間暖かく眠れるほら穴を。
他にもたぬきさん、ももんがさんが尋ねてきます。

心優しいうさぎさんは、みんなが住むのに良い場所を案内してあげます。森の生き物の生態も少し知ることができますね。

そしてーまた春が巡り、見開き一面に描かれた白い花に囲まれてたたずむ、うさぎさんー
“「そろそろ　あそこを　でる　ころだわ」“
そうですね、冬の眠りから目覚める熊さんー
最後までうさぎさんと作者の優しさが伝わってきますね。

茂市久美子さんの、森の生き物たちの暮らしを垣間見るような愉しく優しいやりとりや、自然の移ろいが感じられる素敵な描写と、そこに添えられたしもかわらゆみさんの繊細なイラストがとてもあっていて一冊まるごと贅沢な絵本になっています。

ぜひ、お子さんも大人の方もお手に取られて愉しまれて欲しい一冊ですね

（こちらの本も、ひだまりトマトさんの本棚で知りまして、図書館でお借りした一冊になります。
ひだまりトマトさん、素敵な絵本でした〜（堪能）
ありがとうございました。(*´︶`*)）

2024/11/05

茂市久美子さんの絵本ですね。
絵は、しもかわらゆみさんです。
『ごちそうを　たべに　きてください』の姉妹編ですね。

　やまの　おおきな　きの　なかに、うさぎが　
　すんでいます。
　うさぎは　ひとの　おせわを　するのが
　だいすき。
　うさぎは　こんな　かんばんを　だしました。
　「もりの　おへやを　しょうかいします。
　　おへやの　ことなら　おまかせください」

　お客さんが、次々にやって来ます。うさぎの大活躍の始まりです。

　茂市久美子さんのやさしい物語が、うさぎを通して森の住民の生活を描いていきます。
　しもかわらゆみさんの、可愛らしい愛嬌のある動物たちと、美しい花々などを、彩りも優しく精密画でふんわりと温もりのある絵で物語を飾ります。
「ごちそうを　たべに　きてください」と同じうさぎなのでしょうか？
　うさぎのやさしさが嬉しい絵本ですね♪

2024/06/09

色鉛筆タッチで毛の一本一本まで書き込まれた動物たちが可愛い。
特にりんごの木にとまったおおこのはずくと、やまぶとうを食べるやまねの絵が好きだった。