商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2023/04/28 |
JAN | 9784488011246 |
- 書籍
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最後の語り部
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最後の語り部
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商品レビュー
4.2
13件のお客様レビュー
面白かった。コールドスリープに入る時から、ひやひやさせる。 目が覚めたらさらに、ひやりとする状態だし。十三歳の少女が体験するには、過酷すぎるのでは。 でも、物語を命綱のように抱いて、敵ばかりの中を知恵を絞って切り抜けていくのは本当にすごい。 ハビエルとの再会は、泣けた。あんなに...
面白かった。コールドスリープに入る時から、ひやひやさせる。 目が覚めたらさらに、ひやりとする状態だし。十三歳の少女が体験するには、過酷すぎるのでは。 でも、物語を命綱のように抱いて、敵ばかりの中を知恵を絞って切り抜けていくのは本当にすごい。 ハビエルとの再会は、泣けた。あんなに残酷な再会って……。想像を絶する。 個人的には、スーマと和解して、少しでも盟友になれたらと思う。 そして、どうか先発隊の人々と和やかな邂逅でありますように。
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地球の記憶をもつ唯一の少女ペトラが、恐ろしい計画を実行しようとする大人たちを相手に静かな戦いを挑む。物語の力を信じる「最後の語り部」としてーー。 おばあちゃんから語ってもらった物語に力をもらい、リスクを背負って行動し続けるペトラの姿に胸を打たれました。ペトラ自身も物語を語ること...
地球の記憶をもつ唯一の少女ペトラが、恐ろしい計画を実行しようとする大人たちを相手に静かな戦いを挑む。物語の力を信じる「最後の語り部」としてーー。 おばあちゃんから語ってもらった物語に力をもらい、リスクを背負って行動し続けるペトラの姿に胸を打たれました。ペトラ自身も物語を語ることを通して、子どもたちを救おうとします。 読んでいると喉の奥のほうから熱いものが込み上げてくるような場面が何度かあり、本を一度閉じて、しばらくその気持ちをゆっくり味わっている自分がいました。読み終わったときも同じことをしました。こんな体験をさせてくれる本が先生は好きです。大好きな本として心に浮かぶのは、先生の場合、こういう本です。 ペトラは地球の記憶を忘れているように振る舞いながら秘密裏に動く必要があります。バレてしまうと記憶を消されるか、亡きものにされるからです。しかし、その秘密が見破られそうなピンチも何度も訪れるので、ものすごくハラハラします。 実をいうと、先生は怖がりなので、ピンチに差し掛かったときも本を一度閉じて、気持ちを落ち着かせてからまた読み始めました。この本を読むときは、基本的にずっとハラハラしながらどんどんページをめくっていました。でも、喜びが溢れることも、勇気をもらうことも、感動で胸が熱くなることもありました。クライマックスは特に。 物語がもつ力、それを語るすばらしさを感じられるお話です。「物語」が主題の物語なので、司書としてはなおさらみんなに読んでほしいです! ーーーーーーーーーーーーーーーー すばらしかった。感動した。喉の奥のほうから熱いものが込み上げてきた。ペトラが物語の力を信じて語り部たろうとする意志の強さ、リスクを負って子どもたちを救おうとする勇気と覚悟が心を打った。 そして何より、物語のすばらしさを力強く描いているのがこの本の大好きなところだった。ペトラ自身がおばあちゃんの語りからどれだけ力をもらっているか…。大事な決断の場面で、ペトラの心にはいつもおばあちゃんのお話が浮かんでいる。そして、ペトラ自身も「最後の語り部」として宇宙船の子どもたちを励まし、慰め、そして本当の彼らを呼び戻している。 ペトラの語りを聞きながら引き込まれていく子どもたちの様子がいいなあ。語りの途中に子どもたちの言葉やペトラの思考が挟まれる描写があってすごく臨場感がある。地球の記憶を唯一もつペトラの語りによって、子どもたちが奪われた記憶を取り戻していくのかもしれないという期待感にページを読む手に力が入った。 地球にいた頃の記憶を取り戻す場面は、本当に感動的。ついにペトラの願いが届いた喜びや、真実や思い出を分かち合えない孤独なペトラに心強い味方ができた喜びも溢れて、胸がじんじん響いた。 ペトラは、記憶をもつと絶対悟られないように、組織に絶対忠実であると思われるように振る舞う必要がある。だから、それが見破られそうなときはすごくドキドキする。ペトラはピンチを何度も切り抜けていくのだけれど、そうした場面はひどくハラハラして、何度か意識的に本を閉じて没入感を解かないと耐えられなかった。自分が怖がりだからだけど、ちょっと怖い話が好きな子にはいいかも。基本的には宇宙船に乗り込んでからずっとスリル感がある。 ハビエルの手のほくろが、ああいう形で生きてくるんだなあー。その人物特有の特徴を描写して、はっきり書かずとも読者に確信させる「作家の技」は、子どもたちと共有できるといいかも。
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作中でも語られる通り、創作は現実ではありませんし、フィクションの物語も実際の人間の過ごす物語(人生)も、その全てがハッピーエンドというわけでもありません。 地球を離れて、恒星間植民船に乗り込んだ主人公は、コールドスリープの間に目的地に着くはずでしたが、目覚めた時には両親もおらず...
作中でも語られる通り、創作は現実ではありませんし、フィクションの物語も実際の人間の過ごす物語(人生)も、その全てがハッピーエンドというわけでもありません。 地球を離れて、恒星間植民船に乗り込んだ主人公は、コールドスリープの間に目的地に着くはずでしたが、目覚めた時には両親もおらず、周りの仲間も地球での記憶を消されていました。そして、「それぞれの違いが争いを生んだ原因で、全員が感情や私欲を捨てることが理想」とする「コレクティブ」という集団が船を牛耳っていたのです。 一人ひとりの人生を無視するコレクティブのやり方に反発する主人公のペトラは、おばあちゃんから教わった物語を「語り部」として語ることで、家族と仲間を守ろうと奮闘します。 難しい状況に置かれたときにこそ発揮される、物語の力を感じさせてくれる小説でした。 結末はやや無理やりに「救い」をもたらしたような気もしますし、中盤には読み進めるのがしんどい所とありましたが、読後感は悪くありませんでした。 とはいえ中々に歯応えのある読書経験でしたので、軽い読み口の本が読みたい、という時にはオススメしにくい作品でもあります。
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