商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 小学館 |
| 発売年月日 | 2023/03/17 |
| JAN | 9784094531169 |
- 書籍
- 文庫
お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?
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お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?
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商品レビュー
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ツカサ著『お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?』は、怪異と人間の境界を描く伝奇ミステリーでありながら、どこか人間の“情”を深く見つめる文学的な一作である。 閉ざされた村、血脈に刻まれた怪物の伝承、そして真実を追い求める探偵・葉介と妹・夕緋の関係性──それらが織りなす物語は、単なる推理劇を超えた“存在の探求”として心に残る。 特筆すべきは、ツカサ氏の筆致が放つ緊張感と余韻だ。 人の恐怖や狂気を描きつつも、その根底には「それでも人を信じたい」という静かな慈しみが流れている。 怪異とは何か、人の心とは何か。物語の核心に迫るたび、我々読者もまた「怪物」と「人間」の境界線を見つめ直すことになる。 また、葉介と夕緋という兄妹の関係が実に鮮やかだ。 論理と思考で現実を切り裂く兄と、直感と感情で真実を照らす妹。 ふたりの対話には、家族という最も身近な絆が持つ“救い”と“断絶”の両面が映し出されている。 この人間味が、作品全体に重層的な温度を与えているのだ。 ミステリーとしての完成度も高く、怪異という幻想を借りながらも、事件そのものはあくまで人の心の奥底に根ざしている。 その構成は緻密で、読み進めるごとに伏線が静かに絡み合い、終盤で見事に収束していく。 それはまるで霧の中から真実がゆっくりと浮かび上がるような、静謐なカタルシスだ。 本作は、「怪物」と呼ばれる存在に込められた“異なる者を受け入れる眼差し”を描いた作品でもある。 恐怖と優しさ、理性と狂気、そのすべてが紙一重の距離で共存している。 読後、胸に残るのは不気味さではなく、むしろ“理解しようとする勇気”への敬意だ。 幻想と理性の狭間で人間を見つめ直す珠玉の物語。
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