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影に対して 母をめぐる物語 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2023/02/25 |
| JAN | 9784101123400 |
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影に対して
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影に対して
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商品レビュー
3.8
12件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
時代だとは思いますが、女性の立ち場が無い。 現東京藝術大学を卒業した母が、ヴァイオリンばかり練習していて家庭のことを顧みないと思ってる夫、 主人公が入院したときに、子どもをちゃんと面倒みてないから入院したんでしょ?と思い込む伯母、 病院のベッド脇で左指だけでもバイオリンの練習をする母見て、怒りだす主人公。 主人公の退院後、まったくバイオリンを弾かなくなった母を見て、夫は満足そうにしていたが、結局両親は離婚。精神を病む母。 満州から帰国後も、バイオリン指導が厳しすぎて仕事をやめされられた母。 誰も救われない。 父親が酷い。主人公を父の元か、母の元、どちらに住むか選ばせるようでいて、半強制的。 そのくせ選ばせるように確認するから、どちらかを選べばどちらかを捨てると考えてしまうように思う。 子どもにそんな残酷な選択をさせてはいけないように思う。 成長した主人公も、妻に対して着物を売ればいいとか言うなんて酷い。 でも、ここまで書いておいて、遠藤周作の未発表作品を読めて嬉しいとも思う。
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今年、大学入学共通テストの国語の問題に取り上げられた作品。 完成しながらも手元に残され、遠藤周作の没後、2020年に発見されたんだって。 今更ながら、読みやすく美しい文章。 図書館の返却期限きちゃって、途中までしか 読めてないけど、また借りたいな。 タイトルにもなっている「...
今年、大学入学共通テストの国語の問題に取り上げられた作品。 完成しながらも手元に残され、遠藤周作の没後、2020年に発見されたんだって。 今更ながら、読みやすく美しい文章。 図書館の返却期限きちゃって、途中までしか 読めてないけど、また借りたいな。 タイトルにもなっている「影に対して」 これだけは読了した。 小説という形ではあるが 遠藤周作自身の実話と言われている。 バイオリンを捨てきれなかった 烈しい情熱を持った母と 社会性と生活を重んじた父との離婚。 主人公は母についていくと言えず、 後に母は孤独死してしまう。 継母と父との生活には 何不自由せずとも、 母を見捨ててしまったような 己の中の影の部分が 燻り続ける。 人には 様々な影の部分があり、 おそらく一生消えない。 そこを 正直に書ききった小説。 実話だからこその 重みを感じた。
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2026年共通テスト国語で出題されていたことをきっかけに興味を持ち、手に取った短編集。 芸術の追求のために、我が子の手を払いのけることができた意志の強い女性——それが主人公の母だった。 戦前の昭和には珍しく、家庭に馴染めず、離婚という道を選んだ母。 幼い頃に植えつけられた寂しさ...
2026年共通テスト国語で出題されていたことをきっかけに興味を持ち、手に取った短編集。 芸術の追求のために、我が子の手を払いのけることができた意志の強い女性——それが主人公の母だった。 戦前の昭和には珍しく、家庭に馴染めず、離婚という道を選んだ母。 幼い頃に植えつけられた寂しさ、慕情、後悔。 そうした生々しい傷や感情を、主人公は無理に忘れ去ろうとするのではなく、向き合い、人生の傍らに置いたまま生きていこうとする。その姿が静かに描かれていたように思う。 私が特に驚いたのは、母が遺した言葉である。 「海の砂浜は歩きにくい。歩きにくいけれど、うしろをふりかえれば、自分の足あとが一つ一つ残っている。あなたも決して、(歩きやすいけれど足あとが残らない)アスファルトの道など歩くような、つまらぬ人生を送らないでください。」 親とは、子に少しでも楽な人生を歩ませたいと願うものだと、私は当然のように思っていた。 しかしこの母は違う。 辛くとも、厳しくとも、生きている実感を得られる道を行けと言い切ってしまう。その強さこそが、子の心に烈しい爪痕を残した理由なのだろう、と腑に落ちた。 もう一つ印象に残ったのは、主人公が恩師に宛てた手紙の一節である。 「我々は、他人の人生の上にどのような痕跡を残し、どのような方向を知らずに与えているのか、気がつきませぬ。」 自分の人生は、決して自分だけのものではない。 そう突きつけるような、私にとっては思わず立ち止まらせる力のある一文だった。 遠藤周作の作品は、テスト対策として名前だけは知っていても、実際に読んだことはなかった。 この一冊をきっかけに、他の作品にも手を伸ばしてみたいと思う。この母の影を色濃く映した作品が、他にもあるらしい。
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