商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ビー・エヌ・エヌ新社 |
発売年月日 | 2023/01/21 |
JAN | 9784802512657 |
- 書籍
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我々は人間なのか? 新版
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我々は人間なのか? 新版
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商品レビュー
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1件のお客様レビュー
本当にエッセンスだけを篩にかけていけば、ほとんど何も残らない、スッカスカの書物だと思います。多くの方はデザインとは何か、について普通考えたりしないと思うので、そういう方にとっては新しい視点、発見はあるかもしれません。しかし要約すれば、人が考えて何かをなすとき、それは全てデザインで...
本当にエッセンスだけを篩にかけていけば、ほとんど何も残らない、スッカスカの書物だと思います。多くの方はデザインとは何か、について普通考えたりしないと思うので、そういう方にとっては新しい視点、発見はあるかもしれません。しかし要約すれば、人が考えて何かをなすとき、それは全てデザインであり、つまり私たちの日常のふるまいのほぼ全ては「デザイン」という言葉で説明でき、人間社会のあらゆるところにデザインはあって、人間の歴史はデザインの歴史であると言うこともできる。この点に関しては異論はありません。しかしこの本はデザインというもののこの性質を逆手に取ったというか悪用したというか、人間が関わるあらゆるものはデザインという言葉を用いて解釈できるし、言い換えればデザインという便利な言葉を使えば何もかもをどうとでも説明できるわけです。したがって、本書で筆者は何か斬新な指摘をしているように見せかけて、実のところデザインという言葉さえ使えば何を言っても間違いではない、というトリックがあるわけです。そう言う意味で、本書の中身はスカスカで、読み終わって特に残るものはありません。 中身がスカスカだけならまだしも、本書の一番の罪は、この中身のなさを覆い隠すように気取ったレトリックを連綿と書き連ねているところで、もはや文章として意味をなしていません。「本当に優れた文章というのは、頑張って読もうとしなくても、すっと頭に入ってくるものだよ、例えばシェークスピアみたいに」と、昔英語の先生から言われたことがありますが、本書はまさにその正反対を行く書物です。こういうレトリックは、空虚な虚飾にすぎません。その一例として、本書の結びの言葉をお示ししたいと思います。意味がわからない文章ですから、ネタバレにもならないと思いますのでご安心ください。 "デザインとは、それが主張する通りのものではまったくない。まったく幸いなことだ。すべての不安を解決して摩擦を最小限にする試みはことごとく失敗に終わるのだが、それと同じように、無意識を葬り去ろうとしては失敗する、その試みによって日常生活のほぼ全ての時間が構成されている。我々はデザインを精神分析の治療にかけてみる必要がある。デザインは隠したいもので埋め尽くされている。「我々は人間なのか?」という素朴な疑問は、デザインが懺悔し、その幻想が明らかになるまで「デザインとは何か?」を問い続ける、一つの手段に他ならない。" 別に前後の文脈のあるなしに関係なく、意味不明です。こういうただ気取っているだけの文章が、この本ではずーっと続きます。中身がないのです。それに加えて、翻訳がかなり下手です。大学入試の英語の和訳問題の、ちょっと優秀な高校生の回答、といったところです。というのも、大学入試の模範解答というのは、意訳はあまりせずに、文章構造と単語の意味をきちんと理解していることを示すために、ナチュラルさを多少欠いたものになるからです。これは大学入試問題ではないので、映画にしても本にしても、翻訳という作業は、単に日本語に置き換える作業ではなく、日本語としての言い回しに馴染むように洗練させる作業が必要になりますが、この作業が全くなされていないです。このクオリティで出版物になるのか、という驚きを感じます。 また、本書には、事実と異なることがさも客観的事実であるかのように記載されているところも、問題ありです。例えば「環境過敏症」というものが「多くの医療関係者と同じように」「うつや心気症の患者とみなされている」という記載があります。環境過敏症という疾患名は医学的には存在しませんが、ここでは建築と病気の関わりの文脈の中で、化学物質や建物に対してのアレルギーとして説明されており、おそらくシックハウス症候群のような病態を指していると思われます。しかしながらこのシックハウス症候群は明確に免疫学的機序によって生じるものであって、中枢神経領域の問題として生じる精神疾患とは全く異なる病態であり、しかも「多くの医療関係者がそう思っている」なんてとんでもない誤まった言説の流布です。 本書のサブタイトルには「覚え書き」という言葉が使われており、確かに個人的なメモのレベルのクオリティです。売り物にしてはいけないレベルだと思います。 さらに申し訳ない指摘をさせてもらえば、本書はデザインについて語る本ですが、エディトリアルデザインがなかなかに微妙です。独特のエディトリアルデザインですが、不必要に文字が大きく逆に紙面のバランスを欠いています。また、はじめと終わりの2箇所に、あえてなのかわかりませんが、かなり解像度の悪いダンシングベイビーがでかでかと印刷されたページがありますが、私は正直ダサいと思いました。
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