和室礼讃 「ふるまい」の空間学

松村秀一(編者), 稲葉信子(編者), 上西明(編者), 内田青蔵(編者), 桐浴邦夫(編者)

• 販売会社／発売会社: 晶文社
• 発売年月日: 2022/12/17
• JAN: 9784794973399

商品レビュー

2023/02/16

歴史、日常からの観察、研究から蓄積された
和室の空間と人の行為をできるだけ簡潔にまとめるため、動詞で整理されている。

和室にある目に見るようで見えていない要素、言葉にはしていなかった要素が動詞、人の動きや知覚とともに、浮かび上がった。

和室がなくなるという養老先生を交えた対談は、日常生活にある率直な疑問、気づいていて忘れていたことを言葉にしていて、自分の中にある和室への気づきも引き出された。

今一度、和室について語る場は人の行為に自然に寄り添う豊かな環境、空間を構築する上で必要なことだと思えた。

2023/01/28

絶滅危惧種と 銘柄の 日本酒もあるぐらいですから、 日本とつくお酒も家屋、 和室も ごく限られた 存在となってしまった、 という風に 私は感じています 。

そこでこの本を読んでみましたが 、機能ごとにまとめられています。できのよい本と思います。

近所の家の建て替えを見ていると、100%、ハウスメーカー。利益率は、50%以上とも聞く。その分、職人さんにしわ寄せが。ハウスメーカーの家は、建物が、ワンフラワー。後から、間仕切りし、部屋に。軒は、短く、屋根は、片流れが多い。片流れの上側は、雨の大きい日本では、雨漏りしやすい。それでも、この流れは、止まらない。勿論、日本家屋、和室とも減る。しかも、新しい屋根材は、10-30年くらいしかもたない。

わたしはというと、古い家を改築したり、平屋を買い足し、手入れしている。100年もつ和瓦もあり、安くあがるし、和室の長押は、捨てがたい。

しかし、自明であるが、昔から、日本建築は、高いのである。

庶民は、長屋住まいから、高度成長時代に、戸建てになり、
バブル崩壊後、ローコスト住宅に移行。

和室は、手が届かない所に。この本を読み、再認識。