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ヴァイマル憲法とヒトラー 戦後民主主義からファシズムへ 岩波現代文庫 学術456
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ヴァイマル憲法とヒトラー 戦後民主主義からファシズムへ 岩波現代文庫 学術456

池田浩士(著者)

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ヴァイマル憲法とヒトラー 戦後民主主義からファシズムへ 岩波現代文庫 学術456

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2022/11/17
JAN 9784006004569

ヴァイマル憲法とヒトラー

¥1,694

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2024/09/08

ヴァイマル憲法の下で、ヒトラーは合法的に政権を獲得した(1933年1月)。なぜドイツ国民はヒトラー及びナチスを支持するようになったのか。もう二度とファシズムの悲惨を繰り返さない、「歴史は繰り返さない」と言うことができるには、「過去の歴史の体験を私たちが本当に自分のものとし、異なる...

ヴァイマル憲法の下で、ヒトラーは合法的に政権を獲得した(1933年1月)。なぜドイツ国民はヒトラー及びナチスを支持するようになったのか。もう二度とファシズムの悲惨を繰り返さない、「歴史は繰り返さない」と言うことができるには、「過去の歴史の体験を私たちが本当に自分のものとし、異なる状況の中で同じような過ちを繰り返すことを拒否する私たち自身を実現する」ことが必要だと著者は主張する。  本書は、ナチズムがどのようにして人々を魅惑し、そして呪縛していったのかを、史実に照らして明らかにしつつ、それに対する抵抗力と対抗力をいかにして育てていったら良いかを考えていく。  特に印象的だった箇所。  ナチ党の主たる支持層が主として自営業の階層であったことは知っていたが、それは次のような心情の故であったろうとする。すなわち、いま現在についての絶望や怒りであるよりは、迫りくるものについての不安や危機感。あるいは、いま現に受けている損害や痛みについてのリアルな感覚よりも、いまにも受けるであろう打撃や損失についての危惧と焦燥(49頁)。  「あの時代は良かった!」と敗戦後にも思う人々がいる。ドイツのある社会学書の言葉が引用されている。「国民社会主義は文化革命的な社会運動の働きをしたのである。…国民社会主義の世界観は…因習的な支配と権威の体制に立ち向かう平等主義的な要因を内包していた。…いったい誰が、「新しい時代」とともに行進するのはいやだ、などと思うだろうか。」(139頁)。  ヴァイマル憲法は、叙位叙勲を禁じた(第109条)。これは、すべての民衆は平等であるとの原理に立つものであることに拠っている。ヒトラー政権は叙勲を復活させた。終戦後、ドイツでは、戦死者や復員将兵に対する叙勲が行われなかったが、これには怨嗟の声が絶えなかったという(225頁)。ヴァイマル憲法の精神は分かるが、戦争従軍者に対してまでもそれが適用されたというのは、国民からは納得し難かったのではないだろうか?  ナチズムについてはそれなりに知っているつもりだったが、ナチズムがいかにして支持を取り付け、当初は自発的な社会参加を獲得していったのかが、具体的にかつ分かりやすく述べられていて、とても勉強になった。  現在の、そして近い将来の日本社会についての著者の危機感が、全体を通して強く感じられる。

Posted by ブクログ

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