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司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義 中公新書2720
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2022/10/19 |
JAN | 9784121027207 |
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司馬遼太郎の時代
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
今年は司馬遼太郎さん御生誕100周年。(今調べたら、何と今日からジャスト1ヶ月後がお誕生日との事!) 本書は司馬さんの評伝だが、彼を取り巻いた環境・時代背景をメインに追っている。その中には小説やエッセイの一部も抜粋されているのだが……、やっぱり司馬さんの文章は読みやすいし、いくら...
今年は司馬遼太郎さん御生誕100周年。(今調べたら、何と今日からジャスト1ヶ月後がお誕生日との事!) 本書は司馬さんの評伝だが、彼を取り巻いた環境・時代背景をメインに追っている。その中には小説やエッセイの一部も抜粋されているのだが……、やっぱり司馬さんの文章は読みやすいし、いくらでも読める!ワードチョイス以外にも何か理由があるはずだが、パッと出てこない…。 読書が大好きで、大の学校嫌い。 少年時代の司馬さんが『はてしない物語』の主人公 バスチアン少年にちょっとだけ重なった。この頃から新聞記者か小説家になることを夢見ており、結果どちらも叶えている。 1940年代当時のエリート登竜門 旧制高校の受験に失敗し、「二流」の位置付けだった大阪外国語学校 蒙古語部にやむなく進学。戦後は夢の一つだった新聞記者の職を得たが、社の位置付けもこれまた「二流」だった。 「二流」を生きる自分に満足していたわけではないだろう。 でも(当時主流だった)「純文学」に心酔する同年代や出征先の戦車部隊にいた理不尽極まりないエリート将校と、「一流」と呼ばれるものに対する鬱屈も並大抵のものではなかったはず。 所属されていた組織が綿密に分析されていたのと、兵役中に抱いた疑念が大半の作品に投影されている…というのが今回の大きな発見だった。 「小説というものは自分で考えだして書くべきもので、『純文学』とか『大衆文学』とかいうふうに概念で分けて書くものではありません」 「わたしにとって『小説』とは、まずわたし自身のためのものです」 「司馬作品」「司馬史観」と呼ばれるように、彼の作品はどのジャンルにも当てはまらない。(没後数十年経っても本屋さんでは司馬さん専用のコーナーが設けられているくらいだ) それらは時に「自由主義史観」と批判されたりもした。日露戦争が題材の『坂の上の雲』では戦場と化した朝鮮や中国が度外視されていたりと、見落としている点が多数見受けられるという。 こうした批判や議論は第四章にまとめられているが、正直どれも邪魔くさかった。司馬さんは歴史家ではないけれど、数多の史料を読み込んだ上で独自の視点を持って歴史と向き合っている。植民地側の被害についても決して無自覚ではなかったというし。 そもそも歴史に「絶対」なんてないから、十人十色に視点が生まれる方が自然なのでは?だから侃侃諤諤と議論するのは時間の無駄では?…と思ってしまうのは単純だろうか。 ご本人がどう受け止められていたのかは言及されていない。 司馬さんが「正統」から外れた道を歩まれる中で見えていたのは、「教養主義者による、教養を持たない者への蔑みや驕り」だった。批判の中にも似たようなものを感じ取っていたのでは?と読了した今思う。 あるビジネスマンは「史実と史観の調和が見事に取れている」と司馬作品を高く評価していた。思えば、自分が「読みやすい!」と感じた理由もそこにある。とはいえ、長編ものは結構頓挫しちゃってるから、どこかで必ず読み進めていこう。「おもろいねんから、しんどい言うてる場合やないで!」と司馬さんっぽく鼓舞しながら。
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司馬遼太郎著作って、あんまり読んだことがない。燃えよ剣と新撰組血風録くらいかな。 司馬史観という言葉は聞いたことがあって、興味があったんだが。 かなりコンプレックスと、軍の精神主義に対する批判、技術に対する信頼とかがベースにあって。 書かれている小説自体も、その、司馬先生の主...
司馬遼太郎著作って、あんまり読んだことがない。燃えよ剣と新撰組血風録くらいかな。 司馬史観という言葉は聞いたことがあって、興味があったんだが。 かなりコンプレックスと、軍の精神主義に対する批判、技術に対する信頼とかがベースにあって。 書かれている小説自体も、その、司馬先生の主観を通した仕上がりになっているようだ。 それは全然いいと思う。小説だし、面白ければ。 教養主義、高度経済成長、文庫本化などが重なって広く読まれていったようなのだが、その、主観を通した「解釈」がいつしか歴史上の事実みたいに受け止められていったってことなのかな。 多分、受け入れられやすく、分かりやすいパラダイムに基づくものだったのだろう。 司馬史観「ワールド」に展開する「小説」であるということが忘れられてしまったのではないかと感じた。
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司馬遼太郎の生い立ちや辿ってきた人生が知れたので、より彼の作品を楽しめる材料になりそうだ。また、小説の中のメッセージのようなものも読み取れるようになりたい。
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