グレート・ダイヤリーズ 世界の偉大な日記図鑑

中森拓也(訳者), DK社(編著)

• 販売会社／発売会社: 東京美術
• 発売年月日: 2022/07/29
• JAN: 9784808712389

商品レビュー

2022/10/26

歴史を変えた世界の日記・書簡等80点を、
筆跡までわかる大判で豊富なカラー図版とともに、紹介する。
第1章　1500年以前 7点　　第2章　1500年～1700年 11点
第3章　1700年～1800年 11点　　第4章　1800年～1860年 17点
第5章　1860年～1900年 14点　　第6章　1900年～1940年 13点
第7章　1940年～現在 7点
索引、写真協力、引用・参考文献有り。
日記等の大写しの写真(直筆、写本、印刷)と一部の翻訳文、
筆写の経歴と書かれた経緯、当時の社会情勢等を紹介での構成。

書名だけで図書館に予約。受け取ったら、大判＆重量で唖然。
でも読み始めたら、すごい内容に感服しました。読み応え有り！
パピルス、羊皮紙、桑紙、紙などに、
インク、墨、水彩、クレヨン、タイプ打ち、コラージュでの、
日記の他、手紙や手稿、紀行文、ノート、スケッチブック、
回想録等の記録は真実を語る歴史の証人。
その現場のリアリティー溢れる場所や人、当時の世界を甦らせる。
暗号や速記、鍵付きの日記での秘めやかな記録があれば、
出版や公開を意識しての記録もある。
戦争中の記述の緊迫感。逮捕の、死の直前の著述さえも。
放射性物質で汚染されたキュリー夫妻のノートは、鉛箱で保管。
南極探検のスコットの最期の筆跡は、あまりにも悲しい。
紫式部日記、ダ・ヴィンチの手稿、ピープスの日記、
モーツァルトの作曲ノート、トルストイの日記、
ゴッホの手紙、カミュのノート、アンネ・フランクの日記、
シューマン夫妻やゴンクール兄弟の共同での日記等、
有名なものもあれば、古代エジプトの役人、傭兵、
フランス総督に仕えたインド人の主任翻訳官、奴隷、
第一次世界大戦の兵士等、無名だった者のものもある。
各章のその他の日記も、興味をそそる内容が揃っている。
著者はイギリスの出版社、日本人の日記を複数選んでいるのが
好ましい。遣唐使の円仁、紫式部、松尾芭蕉、広島で被爆した
医師の蜂屋道彦、その他の日記で清少納言が紹介されています。