商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/07/27 |
JAN | 9784105910082 |
- 書籍
- 書籍
彼女の思い出/逆さまの森
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
彼女の思い出/逆さまの森
¥1,760
在庫あり
商品レビュー
4.2
12件のお客様レビュー
「彼女の思い出」 ナイン・ストーリーズの「バナナフィッシュにうってつけの日」を彷彿とさせる。 こうも唐突に世界が終わるものか。 「逆さまの森」 一番のめり込んで読んだ一編だったかも。 『月と六ペンス』のようだと思ったが違う。少しずつ画像が乱れてくる映画を観ているかのようだった。...
「彼女の思い出」 ナイン・ストーリーズの「バナナフィッシュにうってつけの日」を彷彿とさせる。 こうも唐突に世界が終わるものか。 「逆さまの森」 一番のめり込んで読んだ一編だったかも。 『月と六ペンス』のようだと思ったが違う。少しずつ画像が乱れてくる映画を観ているかのようだった。 帽子を元通りにすることにかけては世界一の女の子には幸せになってほしい。 十代の頃に受けた鮮烈な印象より、いくぶんナチュラルな気がしたが、訳者の違いでしょうか? ちょっと生意気で掴みどころのない語り口。ずっとその語りを聴いていたい気分になる。 戦争や人種差別などのテーマを扱いながらも独特の軽快さで煙に巻かれるような短編集でした。 またしてもサリンジャーに取り憑かれている。
Posted by
「このサンドイッチ…」があんまりピンとこなかったので同じシリーズで出てきた今作もちょっと怖かったんだけど、こちらは最高でした! 「ナイン・ストーリーズ」や「フラニーとズーイ」が好きなんですが、書かれたのがより若いせいか、オチで露骨に殺しにかかってくる感じもいいし、最後の「逆さまの...
「このサンドイッチ…」があんまりピンとこなかったので同じシリーズで出てきた今作もちょっと怖かったんだけど、こちらは最高でした! 「ナイン・ストーリーズ」や「フラニーとズーイ」が好きなんですが、書かれたのがより若いせいか、オチで露骨に殺しにかかってくる感じもいいし、最後の「逆さまの森」がなんとも新鮮なラブストーリーで痺れた。 自分にとってかけがえのない瞬間だからこそ、その意味に執着してしまう怖さ。 それが共有されていない悲しさ。 無理矢理に奪い取ったところで指の間をすり抜けてしまう。 ちょっと落ち込んでいた心に響いた。
Posted by
私はサリンジャーの熱心な読者ではない。「フラニーとズーイ」を読んでから、どれだけ時間が経ったことか。 今回の短編集は、第二次世界大戦後の比較的早い時期に発表されたのものが多い。そのせいか、死とその影がそこかしこにある。 コロナ以降、死は、我々の日常生活のすぐ近くに見られるよう...
私はサリンジャーの熱心な読者ではない。「フラニーとズーイ」を読んでから、どれだけ時間が経ったことか。 今回の短編集は、第二次世界大戦後の比較的早い時期に発表されたのものが多い。そのせいか、死とその影がそこかしこにある。 コロナ以降、死は、我々の日常生活のすぐ近くに見られるようになった。近しい人々が、非合理的に思える理由で、自分の世界から消えてしまう。我々は、その突然に切断された現実を乗り越えて、生きることの意味を探し続けなければならない。「彼女の思い出」は、淡々と語られるが、そこに展開する人生に胸が締め付けられる。 不思議だけれど、人間の感情を映し取る文章は、どれだけ時間を経ても古びない。そして、サリンジャーには、なぜかレモン色が合う。今回の装丁は、とても良い。
Posted by