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光のカケラ 三日月島のテール5
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光のカケラ 三日月島のテール5

竹下文子(著者), 鈴木まもる(絵)

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光のカケラ 三日月島のテール5

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 偕成社
発売年月日 2022/07/11
JAN 9784036397501

光のカケラ

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商品レビュー

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2024/07/31
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 テールシリーズ最後のエピソードは、一年が終わり新たなる年が始まる季節の祭りの物語であり、シリーズ最終作にふさわしい題材であった。暗いスラム街の緊張ある雰囲気、故郷の穏やかな情景、サンゴロウを捕まえにきた不思議な力を使う捜査官の出す独特の緊張感、ラストの光の中に包まれるテールと闇と光を象徴するような舞台が交互に続きメリハリのある構成となっている。本作はマーレの闇に紛れて正義を成そうとする正体と闇と光を操る能力も相まって光と闇をモチーフとしているように感じられる。メインとなっているジュエル祭りも闇の中に輝く女神の祭りだ。  闇と光という構図は今作でテールが辿った道に見える。着の身のまま飛び出した自分と重なりしかしそれでもなお過酷な生活を送るスリの子供 故郷に思いがけずに戻ったことで子供時代に受けていた気づけなかった優しさや幸福を見つけ直し、暗く思い出したくなかった過去を照らして明るいものへと変え、幼馴染の望みを叶えてやりたいと思いながら未来に進む。(その望みの帰る家も帰り際の闇の中の光を暗喩する)闇の過去を照らして明るくし、新しい時計を動かして、その年の終わりの祭りを終え日の出の中に立つテールはまさしく新たなる人生のための再スタートの時を迎えたのだ。そういえば初めの方に先輩であるゴンさんの家族の話が出たのもこの展開を予告していたのだろうか?  また闇と光というテーマのもう一つの語り口として人生における人々との関わり合いについても何度もあったように思う。作中のジュエルの神話では砕かれた島々の中で互いに会いたいと思った人々が船という交差点を神から与えられる。この船と同じように人々のつながりをテールは闇を交差し合う流れ星に例えたが、物語や人の縁とは互いに少しずつ触れ合い離れていくカケラ達の交差点ともみえる。テールの物語にルキやマーレやサンゴロウが一時的に触れてまた闇や闇のように深い海の中に消えていくのだ。実際サンゴロウシリーズでもテールシリーズでも船で島々を結び人々の思いを伝えるという立場は多く現れている。海という闇の中に星のように浮かぶ人々という光を繋げるのが船でありこの二つのシリーズはその姿を描いていたと言ってもいいのだろう。

Posted by ブクログ

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