FOX 海上保安庁情報調査室

川嶋芳生(著者), 竹岡繁

• 販売会社／発売会社: 徳間書店
• 発売年月日: 2022/05/28
• JAN: 9784198654689

商品レビュー

2022/12/29

【３０６冊目】いやぁ、久しぶりにつまんない小説読んだなぁ（笑）海保本庁に設置された情報調査室が、北朝鮮へのミサイル技術流出を止めるというのが話の本筋、らしい。だけど、話がミサイル技術流出以外のあちこちに飛躍している。それが伏線回収により心地よいカタルシスを呼び込むこともあるけれど、本作は安い諜報小説もどきに堕している。

筆者は現役のTVプロデューサーで諜報の取材経験もある方だそうだけど、敵の正体が曖昧すぎて、主人公が何と戦っているかよく分からない。

その他、本作の難点を列挙。
・冒頭はFOX新室員の谷の視点で話が進行するが、いつの間にか山下の視点に移行し、話の大半は山下視点。冒頭で谷視点を導入した意味が分からん。
・話の舞台が海保である理由が全く不明。内調でも警視庁公安部でも成立する話。というか、むしろそちらの方が自然。
・政府入りしていない与党議員に対する同僚議員の質問がなぜか国会で行われており、なぜかテレビ中継されている。
・202X年に、テレビの中継を携帯電話で見ている。
・大した実績もなく、かつ、発足後わずか数カ月の海保の一部署のことを北朝鮮が注視しているという設定。
・なぜか総連という名称を使わず、統合などというフィクションの名称で朝鮮総連らしきものを説明し、お茶を濁している。

2022/11/17

海上保安庁情報調査室vs北朝鮮
昔は自衛隊、警察・公安物ばかり読んでいましたが、最近読んでなかったので久しぶり
以前よく読んでいたのが10年以上前なので、当たり前ですが物語の時代設定が現在なので新鮮でした。
ただ、変わらないところは、日本の平和ボケっぷりというか、危機を隠す体質というか、正常な危機感が国民が持てないとこですね。
こういう作品を書かれている作家さん達の警鐘がもっと適切な形で広がればなぁと思います。

全然関係ありませんが、大体この手の主人公はバツイチというのがベタですね